「農民」記事データベース20210405-1451-01

3野党 農政責任者 勢ぞろい

米危機打開3・19緊急中央行動


政府は生活困窮者へ
食料支援をおこなえ

 農民連は3月19日、米危機打開を求めて、国の責任による米在庫の「市場隔離」とミニマムアクセス(MA)輸入米の削減・中止、生活困窮者への支援などを求めて、「コロナ禍による米危機打開3・19緊急リモート中央行動」を開催しました。

画像
「米を買い入れ人道支援に回せ」とコールに合わせてこぶしを上げる「3・19行動」の参加者

 国民民主党農林水産調査会長の舟山康江参院議員(リモート)、立憲民主党農林水産部会長の田名部匡代参院議員(リモート)、日本共産党農林・漁民局長の紙智子参院議員と田村貴昭衆院議員が連帯と激励のあいさつを行いました。米価下落問題で3野党の農政責任者・国会議員がそろい踏みするのは初めてです。

 今年行われる総選挙で米価下落阻止(市場隔離とMA米削減・中止)を野党の共通政策に押し上げる重要な第一歩となりました。各議員のあいさつの要旨を紹介します。

 引き続き、各地域でも、米危機問題で農協、農業団体をはじめ、地元選出国会議員事務所などを訪問し、大いに対話・働きかけを強めましょう。


一体的政策で農業守れ

立憲民主党 参院議員 田名部匡代さん
(農林水産部会長)

 いま、米余りだ、食品ロスだと言われる一方で、困窮者への食料支援が重要になっています。非正規雇用で収入が途絶えて食事がとれない、寝る所もないという方々が増える中で、ここに国がどう責任を持つのかが問われています。

 米の需給問題は、ここ1〜2年で終わらず、今後にも続く大きな課題です。国の食料安定供給体制をどうつくるのか、気候変動や輸入途絶が悪化しても、国民の食料を守れるのかなど、さまざまな視点で食料政策を見直すべきです。

 米価暴落で若い農家も離農を考えているという話を聞きました。やはりこれまで野党が求めてきた戸別所得補償など直接支払いの制度を確立して、農家経営を下支えする。そして農地を活用し、食料自給率を上げるという一体的な政策で、日本の農業と食料をしっかりと守らなければなりません。皆さん、力を合わせて実現していきましょう。


需給調整に国は関与を

国民民主党 参院議員 舟山康江さん
(農林水産調査会長)

 この問題の原点は、主食である米の需給調整を、国が放棄したことにあると思っています。食料の安定確保・供給こそ国がその責任を持つべきところ、2018年以降はまったく現場任せとなり、混乱が続いていた、そこにコロナ禍が来ました。

 あらためて米の需給調整に国が関与し、一定の国が示した生産目標に応えた生産者には最低限の所得補償を行うべきだと考えています。

 それにしても国の18年以降の米政策は、ちぐはぐでその場しのぎです。転作支援も五月雨式に支援策が増えていますが、結果はまったく見えていません。

 生活困窮者への支援ももっと必要ですし、MA米についても輸入は「義務」ではなく、「機会の提供」であることも重要です。

 多くの国民の皆さんと、そして現場から声を発していくことが大切だと思いますし、私たちもがんばっていきます。


米を買い入れ困窮者に

日本共産党 参院議員 紙 智子さん
(農林・漁民局長)

 「米つくってメシ食えない」。こんなことを農家に言わせてはなりません。先日、米農家を訪れ、例年より1000円も安い米価の実情を聞き、農水委員会で取り上げました。小売店では米の需要が若干は増えているものの外食では約21万トン減っています。米が余れば価格は下がっていきます。

 国がコロナ対策として、余った米を市場から切り離して買い取るのが一番です。そして買い取った米を生活に困っている人たちに回すべきです。

 農水省は、フードバンクや子ども食堂に回していると言いますが、全く不十分です。

 「余った米は買い取り、生活困窮者に」の声をもっと大きく広げましょう。米の安定供給・価格に責任をもつ政府を実現しよう。


MA米の輸入はやめろ

日本共産党 衆院議員 田村貴昭さん

 3月10日に衆院農水委員会で質疑に立ち、元農水相の贈収賄疑惑と米問題を取り上げました。私が住んでいる北九州市より広い6万7千ヘクタールの作付け転換は不可能です。千葉県の大規模農家の声を聞きましたが、「この低米価では経営が成り立たない」と言っていました。

 需給バランスが壊れてしまっている今、政府が責任をもって対策を取る以外、解決できません。

 せめて77万トンのミニマムアクセス輸入米をやめたらどうでしょうか。まさに米の緊急事態です。少なくとも在庫のひっ迫を防ぐためにも、アメリカ国内の倉庫に留め置いたらどうでしょうか。

 今や何もしない農水省。農政を変えるためには政権交代しかないと決意を新たにしています。

(新聞「農民」2021.4.5付)
ライン

2021年4月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2021, 農民運動全国連合会