女性による女性のための相談会
農民連女性部が農産物を提供
コロナ禍が女性の困窮を深刻に
女性同士なら相談しやすい
コロナ禍で生活困窮などのさまざまな困難を抱える女性たちを支援する「女性による女性のための相談会」が3月13、14の両日、東京都新宿区内の公園で開かれ、初日は雷雨、2日目は強風の悪天候のなか120人を超える女性たちが相談に訪れました。
この相談会は、昨年末に農民連や全労連(全国労働組合総連合)などが参加して行われた「年越し支援・コロナ被害相談村」に、多くの女性が相談に訪れ、「男性の支援員には相談しづらい」との声も寄せられたことから、「次回は、女性が担い手になった、女性のための支援活動をしよう」と、実行委員会を結成。市民団体の有志や労働組合、弁護士など、所属団体や組織の枠を超えて、のべ200人を超える女性たちがボランティア参加し、開催されました。
農民連女性部も女性部員を中心に全国の農民連組織に農産物の支援を呼びかけ、米や野菜、果物、加工品、切り花など、2日間で50品目以上、テント2つ分、2トントラック2台分に及ぶ農産物や食料を提供しました。
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切り花を小分けするボランティア |
当日は、これら食料をはじめ生理・衛生用品や衣料品、化粧品などの支援物資が無料提供されたほか、カフェコーナーではお茶をしながら生活や労働、DV(家庭内暴力)などの相談も行われました。
生活苦・子育て雇用の相談次々
コロナ禍は、もともと飲食業やサービス業などでのアルバイトや非正規雇用など不安定労働の多い女性たちを、さらに深刻な困窮状態に追い込んでいます。この日も、「何年も働いた職場から契約を切られ、所持金数千円で会場まで来た」という30代の女性や、「子どもがまだ小さいのにコロナ禍で解雇され、新しい仕事も決まらず、失業給付が切れてしまう」という30代のシングルマザーなどの相談が続々と寄せられました。
また夫や家族からの暴力で家にいられない、出たいとの相談も多く、中には「生活保護も考えたが、家族に扶養照会されるのが怖くて、申請できない」という相談も。年代も20〜80代と幅広い女性たちが訪れました。
農民連の食料支援のテントでは、「好きなものを好きなだけどうぞ」と声掛けしながら提供。しかし女性たちは「本当にもらっていいんですか?」と遠慮がちで、「お米はいりませんか?」「人参も、玉ねぎもおいしいですよ」などと強く勧めると、やっと「実はまともな食事がずっとできていなくて。すごく助かります」、「食べ盛りの男の子が2人もいて…」などと、バッグから大きな手さげ袋を広げる女性も多く、中には「ネットカフェ暮らしで料理できず、加工品をもらえますか」という初老の女性もいました。
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資材搬入も女性の力で |
また長野や富山の農民連から送られた、色鮮やかなチューリップやアルストロメリアの切り花は、会場全体を明るい雰囲気に包み、「お仏壇にお供えできる」「お花を飾るなんて久しぶり」と、女性たちにたいへん喜ばれました。
(新聞「農民」2021.3.29付)
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