コロナ禍
バイトない…仕送り減った
学生の困窮深刻
北海道民青 委員長
宮内史織さんに聞く
日本民主青年同盟(民青)は全国45都道府県で、新型コロナ禍で生活に困窮する学生向けの食料支援活動を展開し、各地の農民連が物資の提供などで関わっています。
北海道農民連とともに学生の支援活動を行っている、民青北海道委員会の宮内史織委員長に話を聞きました。
学生に食料支援を継続
北海道民青 道内13カ所で22回開催
アンケートなど生活実態を調査
民青が学生への食料支援を始めたのは高知県でした。北海道では昨年8月に食料支援を始めるにあたり、農民連などの団体や共産党に協力を要請し、支援物資やカンパの呼びかけを行いました。
食料品や日用品の配布と合わせ、実態を調査するアンケートや対話を行い、今年の3月までで道内13カ所で22回開催し、954人が訪れました。
北海道農民連が物資提供
農民連からは富沢修一書記長が周辺の農家に声をかけるなどしてくださり、毎回タマネギやニンジンなど数十キロ単位、米は100キロ超提供されています。夏場は葉物野菜もありました。白菜を希望のサイズに切って渡したり、カボチャを切る道具を富沢さんが用意してカットして渡すなど、学生に喜ばれています。
支援行動を通じて、いかに学生の生活がアルバイトで成り立っているのかがはっきりしてきました。対話の中では「アルバイトのシフトが減り、月の収入が多くて2、3万円しかなくなった」などの声が多く聞かれました。
仕送りとあわせて生活費や学費に充てている人が多く、バイトの減少で生活に困窮し、真っ先に減らすのが食費です。一日1食や2食、コンビニおにぎりだけで済ませているという学生もいます。自分だけでなく親の収入減で仕送りが減ったりなくなったことも、学生の生活を圧迫しています。
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札幌市内で行われた支援活動。たくさんの野菜や米が北海道農民連から寄せられています |
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訪れた学生からは「とてもありがたい」「これで2週間は食べるものに困らない」という感謝が寄せられ、一度来た友人に聞いてきたという学生も多くいました。
生活とあわせて、オンラインの講義が続くことで、特に新入生の間で戸惑いがあります。「授業のとり方がわからず不安」「どんなゼミがあるのか。サークル、部活は何があるのか。全く分からない」「レポートを作成したことがなく、書き方から調べて大変」などの声が寄せられ、ある学生は「学生になった実感がない」と話していました。
学生向け給付金きちんと制度に
こうした生活の実態を見て思うのは、学生の支援策が急務だということです。国は一度給付金を配りましたが、学生の使える給付金、支援金などの制度をきちんと作るべきです。
来てくれた学生には「フードバンク継続のための仲間を募集している」など、民青の活動への参加の呼びかけもしています。呼びかけに応えてボランティアスタッフや、同盟員になってくれる人も出てきました。こうした仲間たちと一緒に、学費の値下げや困窮学生の支援策などを求めて、運動を続けていきます。
(新聞「農民」2021.3.22付)
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