全国からぜひ協力を登録品種の作付け調査改定種苗法の具体化を許さないために
農家の自家増殖・採種、地域の在来種を守ろう2020年12月、改定種苗法が成立し、21年4月から施行されます(自家増殖の「許諾制」などの条項の実施は22年4月から)。農民連は会員、新聞「農民」読者が作付けする種苗の登録品種についての「作付け調査」を呼びかけています。これは、東京大学・鈴木宜弘研究室などの調査と同一の調査項目で行います。 鈴木研究室の調査結果(下記参照)によると、生産現場で起こる、種苗法改定に伴う「許諾制」によるコスト上昇や、農民の自家増殖が果たしている栽培上の役割などが明らかになっています。 この調査を、都道府県農民連が主体的に取り組むことで、その実態とともに改定種苗法の具体化を許さないたたかいをはじめ、地域から自家増殖・採種を守る運動や、在来品種を守る運動に貢献できます。 ぜひ、多くの会員・組織が参加し、種子を守る運動を大きく広げましょう。
改定種苗法
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イチゴも自家増殖で多く栽培されています |
さつま芋は、ウイルスフリーの苗を購入し、その苗で育てた芋を翌年の苗用の種芋としています。これも今回の改定で「許諾料」が発生します。
こうした作物の栽培にとって最も重要なのは、ウイルスフリー苗を使って育てた種芋やイチゴの親株を選抜することによって、翌年収穫する芋やイチゴに差が出ることです。
自分好みの生育のそろった苗を選んで収穫に期待し定植しますが、購入する苗ではこの作業ができません。
この技術がどれだけ日本の農業を支えてきたのかを明らかにし、来年4月からの「許諾制」条項の実施前に、農民の自家増殖の権利を認めさせましょう。
名前に地名のついた品種はたくさんあります。それらは、その地域の気候風土に耐えた品種です。こうした品種は、昨今の異常気象にも耐え抜く力を持っています。
ところが政府は、そうした在来品種の力を無視し、ゲノム編集などによる品種改良で乗り切ろうとしています。この方向は、種子の企業支配を強めるとともに、生物多様性を否定し、予期せぬ気象変動による全滅の危険を増大させます。
地域で耐え抜いてきた伝統品種に対し、地域で守る施策を確立することは、食糧主権の基礎です。この調査を生かし、在来種を守る運動を強めましょう。
近日中に農民連のホームページに調査票をアップする予定です。それぞれの組織で大いに活用してください。一人でも多くの参加で、運動を大きく広げましょう。
調査は調査会社マクロミルに鈴木宣弘研究室から委託する形で実施され、北海道(45人)、青森(16人)、山形(21人)、愛知(30人)、福岡(22人)、熊本(16人)の6道県の農業者を対象に行い、151人から回答が得られました。
その一例として、栽培している品種の登録状況を確認したところ、図のような結果となりましたた。
登録品種の割合は北海道72%、青森38%と高い地域、山形、愛知、福岡のように20%台の地域、熊本のように9%と極めて低い地域と大きく違いがでました。
今回のアンケート調査の結果を受けて、印鑰さんは、次のようにコメントしています。
・登録品種を利用する農業者の割合は農水省の説明の1割程度よりもはるかに多い
・自家増殖は今なお日本の農業の中で重要性を維持している
・有機農家でも登録品種は多く使われており、その自家増殖も必要である
・農業者に改定種苗法に関する十分な情報が伝わっているとは言いがたい
このアンケート調査の詳細と問い合わせ・連絡先は印鑰さんのブログ(http://blog.rederio.jp/contact)まで。
[2021年3月]
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