農家が得する
税金コーナー
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申告前に最終確認を
今年も新型コロナ禍にともない申告期限が4月15日に延長されましたが、多くの地域で予定通り3月12日に重税反対統一行動が行われます。早めの申告の準備を心がけましょう。
(1)『記帳簿』の見直しを
申告書を書く前に、『記帳簿』の見直しをしましょう。
売り上げは消費税増税・複数税率導入に伴い、総額表示にすることになっています。持続化給付金や経営継続補助金は農業収入の雑収入に、忘れずに計上しましょう。逆に特別定額給付金は非課税ですので、入れないようにしましょう。
科目の小計を最後のまとめに書き忘れていたりする場合もあります。経費を1万円拾い忘れると2000〜3000円(所得税5%、住民税10%、国保税約5〜15%など)の税負担となります。落ち着いて見直しましょう。
(2)基礎控除などの変更の確認を
今年の申告は基礎控除の変更にともない、給与所得や公的年金所得の控除金額の変更と、配偶者(特別)控除や勤労学生控除、扶養控除の所得要件の変更、青色申告特別控除などが変更になっています。また、ひとり親控除と所得調整控除が新設されています(『手引き』13、14ページ)。
(3)税率の適用は合っていますか?
課税所得の金額によって税率が変わります。『手引き』57ページの税率表で、税率と速算控除額を確認してください。
(4)復興特別所得税の計算を忘れずに
所得税額の2・1%が復興特別所得税になります。小数点以下は切り捨てますが、1円単位まで記入します。
(5)添付書類の確認を
生命保険、地震保険、国民年金(基金)の支払い証明書、医療費の明細書など添付漏れがないか今一度確認しましょう。
当日万が一に備えて印鑑を忘れずに。
(6)青色申告の申請
青色申告に切り替える人は青色申告承認申請書を提出する必要があります。新たに青色事業専従者給与を支払う場合や金額を変更する場合は、青色事業専従者給与に関する届出書を同様に提出する必要があります。通常の提出期限は適用年の3月15日までですが、今年は新型コロナ禍の影響で延長が認められる場合があります(注)。
提出用と控え(コピー)の2枚ずつ持っていき、控えに収受印を押してもらいましょう。
(7)税金の納付を忘れずに
黒字の税額が出た人は納付も忘れずに。所得税、消費税の納付書は国保のように送られてきません。自分で納付書に金額を書いて、金融機関(銀行、郵便局など)で支払います。支払期限は新型コロナ禍の影響で所得税、消費税ともに4月15日です。納付書がない人は、税務署または最寄りの申告相談会場で納付書をもらうか、集団申告の日に忘れずにもらって帰りましょう。
(8)「マイナンバーがなくても書類は受理する」
確定申告書をはじめ様々な行政文書にマイナンバー記載欄が設けられていますが、今年もどの行政機関も「マイナンバーの記載がなくても、書類は受理する」と回答しています。各種書類は、マイナンバーを記入せずに提出できます。行政書類にマイナンバーを記載すると、個人の身分証明書などの提示が求められかえって不便です。
注 農民連の問い合わせに対し板橋税務署は「提出期限の一律延長はしていません。新型コロナの影響で書類が間に合わない場合は3月15日を過ぎても受け付けますが、申告書等の書類を3月15日までに提出している場合、青色申告の書類だけ期限を延長することはできない場合があります」と回答しました。管轄の税務署に確認をしましょう。
(新聞「農民」2021.3.15付)
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