農民連
春の仲間づくり大運動
持続化給付金受給者中心に働きかけを
各地で進む学習会・記帳会・計算会
農民連は2020年7月以降、持続化給付金の申請支援を中心とした仲間づくりで、2000人以上の新しい仲間を迎え、2400人近くの新聞「農民」読者を増やしています。2021年の春の仲間づくり大運動は、(1)新会員の定着、(2)読者・受給者の入会促進、(3)それに倍する周りの受給者への働きかけ――の特別な意義があります。すでに、読者受給者を中心にした税金学習会や記帳交流会、計算会が取り組まれており、新たな仲間づくりも進んでいます。各地の取り組みを紹介します。
新会員が自主申告運動に参加
新聞「農民」も毎週楽しみに
大阪
阪南支部協議会
「春の大運動」で5人が仲間に
大阪府の農民組合阪南支部協議会(山下博会長)は、1月24日の「確定申告事前勉強会」を皮切りに「なんでも相談会」を7回開催し、のべ69人の参加で5人の新しい仲間を迎えました。50世帯まであと3世帯と迫っています。
2月23日、泉南市北地域の「なんでも相談会」には10人が参加し1人が入会。山下会長の紹介で持続化給付金の申請をした兼業農家の向井さんが初めて農民連の『税金ノート』で自主記帳・計算に挑戦しました。
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山下会長(中央)と向井さん(左) |
経費を漏れなく出すことで、農業の赤字分と年金所得を相殺して非課税世帯に。介護や国保料が大幅に安くなり、息子さんの扶養にも入れることがわかりました。向井さんは「こんな勉強会は農協でしたことがなかった。いままで知らなかったことが悔やまれる」と入会しました。
『ノート』で確信 自主申告できる
昨年末入会した兼業農家のOさんは、初めて農民連の『税金ノート』で記帳し、自主計算しました。これまで申告してきた経費が3倍になり、持続化給付金で収入が増えると心配しましたが、前年度並みに抑えることができました。
25日の泉佐野市内での学習会には7人が参加。21日に入会した専業農家のMさん(40歳代)は、税理士に勧められて「青色申告」をしてきました。『税金ノート』で自主計算して、初めて白色申告に挑戦。「売り上げからみても白色申告なら複雑でなく簡単、これなら自分で計算して申告できる」と確信を深めています。
初めて手にした新聞「農民」を読んで「勉強になりました。ゲノム編集トマトやフードバンクの取り組みなど、関心のある記事が満載、毎週楽しみにしている」と農民連の運動に期待を寄せてくれています。
(大阪・阪南支部協議会事務局長 下村晴道)
給付金の申請を180人支援し
30人が税金学習会にも参加
長野
飯水・岳北農民組合
長野県北部の「飯水・岳北農民組合」は2月15日に木島平村で1回目の税金学習会を開きました。持続化給付金の申請を支援した農家を精力的に誘って、当初予定の人数を大幅に超える30人が参加し、資料を追加するほどでした。
近年、税金学習会も開けなかった地域でしたが、持続化給付金申請に組合員の9倍を超える180人もの人が取り組んだ地域で、5自治体の農家が申請運動に参加しました。
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新型コロナ対策を万全にして学習会 |
今までJAなどの申告会に参加した人もいて「作業着とは、仕事のときに使うシャツなども対象になるのか。上着以外だめだと思っていた」と納得していました。
2回目の記帳交流会は2月23日に開かれました。雪深い地域で当日は、大雪注意報が出るなど天候の悪い日でしたが、7人の方が参加しました。
前回参加し、収支計算をやり直した方は「昨年までは赤字だったが、今年は持続化給付金で黒字になった。かつては牛飼いだったので、ほとんど農協でやってもらっていたのでよく分からない。どうしたらいいか」と参加しました。
話を聞いてみると青色申告でした。損失繰越申告の話をすると「前の年とその前も赤字だった」ので、前の申告書を見直すと言っていました。
この地域は、申告の時期に大雪で税務署に行けないときもあり、市町村窓口での申告が多い地域です。市町村の申告相談会に行けば「事が済む」とされ、農家も自主的に計算することが少ない地域です。
損失繰越申告や減価償却など自主計算、自主申告のためにも交流会がいかに大切かを感じさせてくれました。
(長野県農民連 菊池敏郎)
学習会には新会員や後継者も
農民連で学べてよかった!
茨城
常陸野農民センター
茨城県の常陸野農民センターは2月4日、「農民連『農業収支記帳簿』の使い方講座」を小美玉市で開催しました。
会員向けニュースでお知らせしたところ、新会員だけでなく代替わりしたての既存会員からも「自分は経費計上の仕方もよくわからない。ぜひ勉強したい」などと申し込みがあり、当日は13人が参加しました。
新会員は今まで市役所の申告相談窓口で申告書を作成していた方が多く、農民連の『記帳簿』を使用するのは初めてです。
『記帳簿』と収支内訳書、申告書第一表を示しながら、ひと項目ずつ解説していきました。
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『記帳簿』を使って説明する荻谷事務局長 |
講師役の私が「自宅に農業関係者が訪ねてきたらまず敷地内に車を停め、玄関や応接間に入ってもらい、お茶を出します。つまり、駐車スペースや対応に使った部屋は農業関係に使用したので、経費に計上できるんです。大事なのは、『実態に応じた割合で、経費を計上する』こと」と説明。参加者からは「役所の窓口では、そんなこと教えてくれなかった。農民連に入って、教えてもらえてよかった」との声も。ベテラン会員から「自分はこうやって経費レシートを整理している」とのアドバイスもあり、有意義な学習会になりました。
(茨城・常陸野農民センター事務局長 荻谷祥子)
(新聞「農民」2021.3.8付)
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