「農民」記事データベース20210301-1446-04

農のこころ

丸山美沙夫


 菜をきざむ音さくさくと春立てり

             大賀 豊泉

 『ザ・俳句歳時記』から。新暦では二月四日頃で、この日から春とされている。この句に注目させられたのは、野菜は春野菜を限定している訳ではない。だが刻んでいるのはまさしく農家の主婦であろう。自家用に蓄えておいた野菜を刻む音から「春立てり」と詠みとっている。春の農土に立つ意気込みもその中に。

(新聞「農民」2021.3.1付)
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2021年3月

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