農のこころ丸山美沙夫
菜をきざむ音さくさくと春立てり 大賀 豊泉 『ザ・俳句歳時記』から。新暦では二月四日頃で、この日から春とされている。この句に注目させられたのは、野菜は春野菜を限定している訳ではない。だが刻んでいるのはまさしく農家の主婦であろう。自家用に蓄えておいた野菜を刻む音から「春立てり」と詠みとっている。春の農土に立つ意気込みもその中に。
(新聞「農民」2021.3.1付)
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[2021年3月]
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