「農民」記事データベース20210301-1446-02

東日本大震災から10年

再びの大地震 原発事故が心配


大地震の度に原発が不安に
断水や停電は復旧したが…

緊急リポート
三浦広志さん(福島・浜通り農民連事務局長)

 2月13日午後11時8分に発生した震度6強の大地震は、いまだ全容はわかっていませんが、私が東日本大震災後に避難地とした新地町をはじめ、宮城県と福島県の境の地域が被害の中心のようです。第一報として、周辺の状況をお伝えしたいと思います。

 地震の訪れを告げる緊急地震速報は、揺れ始めて数秒後に鳴り始めました。突き上げるような揺れが続き、周りの物を抑えながら揺れが収まるのを待ちました。

 10年前の東日本大震災では揺れが6分ほど続きましたが、今回は、数十秒で、ちょっと長めの地震といった感じでした。テレビの地震情報では、今回は津波の心配がないとのことで一安心。原発の状況も報じられましたが、すぐには情報が出てくるはずもないので、とりあえず家で様子をみることにしました。

 家の中は家具が倒れ、テレビが落ち、本や食器などが散乱し、足の踏み場もないありさまでした。最低限の動線だけは片付けて、翌朝に備えて午前1時頃には眠りにつきました。

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米袋が崩れ落ちた倉庫(三浦さん提供)

 翌朝、家の近辺を見回ると道路には亀裂が入り、塀が倒れ、多くの家の瓦が落ちていました。一時は断水や停電もありましたが、東日本大震災以降、地震や洪水など多くの災害を経験している地域なので、迅速な対処で、2日ほどで解消しました。

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原発事故後に移転・新築した自宅の玄関にも大きなヒビ割れが(三浦さん提供)

 高速道路への土砂崩れや、新幹線への被害なども報道されていますが、私たちの最大関心事の一つは、原子力発電所です。今のところ大きな事故は報道されていませんが、今回も福島第一原発は使用済み燃料プールから水が漏れたそうです。

 大きな地震の度に、福島第一原発に不具合は起きていないだろうか? 次の大地震は、岩手県沖が予想されているそうだが、女川原発の備えは十分だろうか? と10年が経っても、不安に駆られ、次はどこに逃げようかと考えてしまいます。

 新聞「農民」では、次号以降、「東日本大震災から10年」の企画を始めます。

(新聞「農民」2021.3.1付)
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2021年3月

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