農民連
藤原麻子事務局次長の手記
森会長女性蔑視発言に怒り
私たちは沈黙しない
東京五輪・パラリンピックの森喜朗会長が、評議員委員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と女性蔑視発言をしたことが大問題になっています。国内外から批判され、森氏は発言の撤回と謝罪の記者会見を行いましたが、問題はさらに広がっています。
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全労連女性部の呼びかけで行われた抗議行動で訴える農民連の藤原事務局次長(中央、2月10日、東京・有楽町) |
その一番の理由は、森氏本人が、この発言がなぜ女性蔑視にあたるのかをきちんと理解していないことです。かつて日本の総理大臣まで務めた人物が、40分近くの発言の中で、社会のあらゆる場面での女性の発言を否定し、「空気を読んで黙っている」女性が節度を「わきまえている」かのような表現を使っている――。さらに森氏は、発言を聞いていた評議委員から異論がでなかったことで、誤った発言ではないとの勘違いまでしています。
もう一つ問題なのは、国内外からこれほど批判の声が上がっているのに、政府与党側からは「会長続行に問題はない」とした発言が相次いでいることです。
森氏をはじめ政府与党内での時代に逆行したこの感覚に、女性たちの中では、「日常の中でこれまで幾度も黙らされ、苦しんできた。なのにこのことを、まったく理解していない」と怒りの連鎖が広がっています。
女性だけではありません。森氏の発言に抗議するスタンディングをしていると、男性から声をかけられました。
「五輪の組織委員会が森氏に対して『余人をもってかえがたき人』と慰留させたとの報道は、世界に日本は差別の国だと言っているようなもの。僕は海外から、あの人たちと一緒に見られたくないんです」
男性も、女性も、すべての性の平等を求めています。私たちは「沈黙はしない(#dontbesilent)」!
(新聞「農民」2021.2.22付)
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