農民連女性部第32回総会一人ひとりが大切にされる社会へ
|
呼びかけに応えて手を振る全国の参加者たち |
農民連女性部事務局長の藤原麻子さんが議案を提案しました。この1年間、コロナ禍や相次ぐ災害などで多くの農家の暮らしと経営が危機に直面する中で、「不安を一人で抱え込んでいる仲間がいないようにしよう」とインターネットなどを活用しながら模索を重ね、種苗法改悪反対や持続化給付金の申請支援などに取り組んできたことや、一人10万円の定額給付金が「世帯主」に一括給付されたことをきっかけに、ジェンダー平等の視点で交流してきたことを報告。
「コロナ危機や気候変動など経済効率を優先し、弱者を切り捨てる社会の持続可能性が問われるなかで、国連『家族農業の10年』を力に、農民連の仲間を広げ、地域を再生させよう」と呼びかけ、ジェンダーアンケートやジェンダー学習会、農産加工の交流会の開催など具体的な提起を行いました。
熊本県の野口絹代さんは、昨年7月の豪雨災害の様子を報告し、昨年11月にオンラインで開催された全国の女性部の交流会に参加するために、県女性部で久しぶりに集まることになり、「ならば被災者の支援もやろう」と、農産物を持って八代市坂本町の被災者訪問した活動を紹介しました。
群馬県の野口恭子さんは、持続可能な農業をしたいとこれまで減農薬・有機で野菜を栽培してきましたが、「今年は1回だけ使っている殺虫剤もやめて、ミツバチを飼いたい。私たち世代が一つ一つ見つめ直して、次世代も農業が続けられるようにしたい」と発言。
山口県周防大島のかんきつ農家の石原幸恵さんは、獣害や不作などの苦労を語りながらも「“3密”にもならず、自然のなかで海を眺めながら仕事ができて幸せ。アグロエコロジーが大切という話があったが、私たち夫婦もいろいろ研究し、こだわって実践している」と話しました。
広島県の木戸弓さんは、昨年、中国ブロック交流会をきっかけに県の女性部を立ち上げたこと報告するとともに、自らの夫婦のあり方を振り返りながら、「毎日、夫婦げんかなのか、ジェンダー平等を勝ち取るたたかいなのか分からないけれど、これからも経営や栽培のやり方もよく話し合い、私も勉強していきたい」と発言しました。
埼玉県からは浅子紀子さんが伊澤潔美さんの発言原稿を代読。持続化給付金の申請支援の取り組みで、71人の仲間を迎えることができ、「今後は新会員に農民連に入ってよかったと思ってもらえるよう寄り添っていきたい」と述べました。
記念講演の印鑰さんのお話に、胸を打たれました。いつも見ている作物の根っこが、ただの根だと思っていたら、菌根菌糸という大事な働きがあるとのこと。今は意外と安易に化学肥料が使われていますが、この微生物のメカニズムを知って、参加者一同、「そうなんだ!」と、口々に感嘆の声が飛び出しました。
富山でも女性部でいろいろな学習をして、女性の目線から子育てや介護、家族農業を語り合う中で私たち自身が育っていけるようにと考えています。
夫婦の信頼関係うらやましい
荻谷祥子(茨城)
印鑰さんのお話を聞いて、隣にいたサツマイモ農家の方が、「この話をバイヤーに聞かせたい。私たちは作物を出荷する時、『規格』にがんじがらめにされて、これに従うとなると農薬漬けの野菜を出荷しなければならない」と言っていました。農家、流通業者、消費者がみんなで同じ知識と意識を持つことが必要なんだなと思いました。
広島の木戸さんの発言では、「夫さんは全国にまでこんなことを話されちゃって、大丈夫かしら…(笑)」と思いましたが、それも大丈夫なくらい、お互いの信頼関係があるということですね。うらやましいです。
豊かさの全てが土から始まる
井上さだ子(群馬)
私は家族の中で3反6畝の水田の管理を担当しています。昨年、殺虫剤を散布したのですが、その後オタマジャクシが見えなくなりました。印鑰さんの記念講演は、興味深く聞きました。生態系の豊かさのすべてが土から始まるとは意外でした。農民連女性部としても勉強しなければと思いました。
長野・小諸市 布施和子 |
[2021年2月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2021, 農民運動全国連合会