農民連 農水省に要請
全ての被害農家に
等しく万全な支援を
豪雪被害
年末年始からの大雪により、日本海側を中心に広範囲にわたって農業用ハウスなどの農業施設に甚大な被害が出ている問題で、農民連は2月5日、農水省に被害救済を求める要請を行いました。要請には、とくに被害の大きかった秋田県、富山県、新潟県の代表もオンラインで参加しました。
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熱く訴える笹渡副会長(向こう側右から2人目) |
一方、農水省は1月末から2月2日にかけて、今冬の大雪の災害対策本部を設置するとともに、支援策を発表。ハウスの撤去や処理、補修や再建への支援策や、枝折れなどの被害を受けた果樹の修復、改植などへの支援、被災した畜舎の再建・修繕、被災でへい死した家畜の再導入支援、農業機械の修繕・再取得への支援策などが含まれています。また事前着工も可能となっています。
しかし、ハウスの撤去や再建については、「人・農地プラン」の中心経営体などに位置付けられている農家には国、共済金、自治体と合わせて全額に近い補助となる一方、それ以外の農家には、自力施工が基本となるうえ、補助率も資材費の半額のみとされており、全く不十分な内容となっています。
要請で農民連は、ハウスなどの再建について、いわゆる担い手農家だけでなく、被害を受けたすべての農家を支援すること、農業共済の迅速な評価と支払い、また共済未加入農家への支援策などを求めました。
秋田県の代表は、「リンゴの枝折れ、ハウスの倒壊が深刻で、このままでは産地がなくなってしまう危機的状態だ。被災した全ての農家が100%の補助を受けられるよう、国と自治体で支援してほしい」と要望。
富山県の農事組合法人アイリスファームの代表者は、「ハウス7棟のうち2棟が倒壊したが、米価下落で赤字続きだったうえに、掛け金が高くてここ2年ほど施設共済に入っておらず、国の3割補助だけでは再建できない」と訴えました。
重ねて笹渡義夫副会長が「零細で高齢な農家が資材代半分の補助で、自力施工で再建するのは非常に困難だ。2019年の台風被害の対策同様、農家を選別することなく支援するべきだ」と、強く求めました。
(新聞「農民」2021.2.15付)
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