コロナ入院体験記
北海道農民連会員 増山和則(68)
=美瑛(びえい)町=
通院先のクラスターで感染
高熱とたたかった入院25日間
まさかと思うことが、昨年11月に私にふりかかってきました。それは、「高齢者で基礎疾患のある」私が、新型コロナウイルスにかかったことです。
がんの化学療法を受けて、やっと自宅に戻れたと安どしていた矢先、病院から新型コロナウイルスが発生したのでPCR検査を受けるように言われました。結果は 「陰性」でホッとしました。
しかし、3日後に突如38・8度の熱が出て病院に連絡すると「すぐ来てください」と言われ、病院の救急玄関前でPCR検査をすると「陽性」反応が出て、その場で入院しました。病院で新型コロナのクラスターが発生していたのです。
不安な気持ちで隔離病棟に入った途端、感染防護服姿の看護師さんたちから、「増山さん、がんばって!」とエールが飛んできことに驚き、励まされました。よく見ると入院時にお世話になった婦長さん、看護師さんたちでした。病室では、最初一人でしたが、日がたつにつれ、無症状の人やいろんな基礎疾患を抱えた人たちが入ってきました。
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新型コロナとたたかった増山さん |
新型コロナの特効薬はなく、対処療法でした。私の場合は、熱を下げることと肺炎を防ぐための点滴治療でした。熱は入院して1週間38〜39度台、その後37〜38度台が10日ほど続き、そのあと36度台に下がりました。
感染・復帰しがんばる看護師の
真しな姿に励ましと感謝の思い
「私もコロナにかかったけれど、職場復帰してがんばっているのよ」「一緒にがんばりましょう」と私たちを元気づける看護師さん。院長から「空いた時間、あなたのできることをやってほしい」と言われ、患者さんを回って、欲しい品物の注文とりをして、院内コンビニから買って届けてくれる医師など、総力を挙げて新型コロナに立ち向かう医療従事者の真しな姿に励ましと感謝の思いを深くしました。
そして現場の要請に応えない国のコロナ対策の不十分さを実感しつつ、私は25日間で無事に退院することができました。入院した病院は1月下旬にクラスターが終息し、平常診療へと取り組みが始まっています。
この体験をコロナ対策の充実に向け
議員活動・農民連活動に生かしたい
美瑛町議会議員をしている私は、この体験を、新型コロナ対策の充実に向けた議員活動・農民運動に生かしていきたいと思っています。
(新聞「農民」2021.2.8付)
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