備蓄米「安値」入札
菅内閣が進める
米価「1万円」の米つぶし農政
関連/〈おことわり〉
春の大運動で米価下落にストップを!
1月26日に2021年産備蓄米入札が実施され、27日に公表されました。結果は、今年産米価のさらなる下落を確定させかねないものとなりました。
99%の落札は想定内だとしても異常ですが、第1回で131もの異例の数の業者が入札に参加し、わずか30業者が落札するという異例ずくめ。落札価格は公表されていませんが、産地や業界関係者からの情報では東北各県では1万1900円(60キロ税別)で不落札、千葉県では1万1600円でも落札できなかったといわれています。(予定価格は1万3200円程度とみられます)
いま、19年産米の大量在庫のあおりを受けて大暴落した20年産米は著しい販売不振となっており、生産者も米屋さんも今後の見通しがみえない状況にあります。今回の落札価格のあまりの安さは、田作りも始まらないうちに、今年の米価暴落を誘導するものといわざるをえません。
国から36万トンの減産を押し付けられた全農(全国農業協同組合連合会)が、東北・北陸などを中心に各県で優先枠全量に近い数量を安値で落札させたと言われています。
JAは、主食用米・飼料用米(交付金込み)・備蓄米の買取価格を共同計算することから、このままでは「1万円」の概算金になりかねません。生産者は、今年はさらなる米価下落を前提にした営農計画を強いられることになります。
政府は、農民連や農業団体、全国知事会などが強く要望してきた備蓄米の追加買い入れを冷酷に拒否してきました。一方、20年度3次補正予算での「水田リノベーション」で10アール当たり4万円支援を打ち出していますが、加工用米・輸出用米の生産者買取価格は、支援額を見越して引き下げにつながっています。
輸出促進を目玉にする菅農政は生産者に低価格の農産物生産を強要し、海外展開する食品メーカーやコンビニ・スーパーなどの国内産農産物調達への支援を進めています。
昨年に引き続く米価下落は、米農家の離農を加速させ、地域の担い手を押しつぶします。絶対に食い止めなければなりません。政府に米価下落をストップさせる運動を春の大運動のなかで大いに広げましょう。
〈おことわり〉
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(新聞「農民」2021.2.8付)
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