山形 庄内農民連
持続化給付金申請で
会員数が2・6倍に
申請サポーターが大活躍
山形県の庄内農民連は、持続化給付金の申請支援で230人の会員を拡大し、会員数は約2・6倍となり、史上最高を大きく更新する大躍進を実現しました。
運動を開始した7月1日の時点では会員の95%が鶴岡市に集中し、他の市町村にはほとんど会員がいない状況で、2つの町が会員不在の「空白自治体」でした。
7月と10月に庄内地方全域にチラシの新聞折り込みを実施し、申請相談会を26回開催しました。7月25日からお盆を除き毎週土曜日に申請支援窓口を開設し、会員拡大を重ねました。
その結果、酒田市と飽海(あくみ)郡を活動地域とする飽海支部は約20倍に、鶴岡市の羽黒地域を活動地域とする羽黒支部は3倍化し、空白だった2町はそれぞれ約20人の会員を迎え、庄内地方のほとんどの地域に会員がいる状況となりました。
歴史的大躍進の原動力となったのは、コロナ禍での米価暴落、農産物価格の低迷などで「給付金を申請したい」という要求に応えるために開設した定例の申請支援窓口です。
新規就農青年が心強い助っ人に
この相談窓口では、新規就農の青年農家を中心に、5人の申請サポーターが活動しました。国がサポート窓口を早々に閉鎖するなか、「農民連はいつも土曜日に申請を受け付けている」ということが農家や漁業者の中に口コミでも広がり、毎週多くの申請希望者が事務所を訪れるようになりました。
申請サポーターの阿部佑一さん(33)は「申請に来た人が喜んでくれて、次々と入会していくことに喜びを感じる」と語ります。
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梶事務局長(中央)と申請サポーターの2人。阿部さん(右)と諏訪志保さん |
今度は税金でも要求の受け皿に
この大躍進は別の効果ももたらしました。自身をとりまく環境変化などで挫折し、苦悩を抱え、農民連の運動に対して後ろ向きになったり、組織を離れたりした人たちが、大躍進の中で自信を取り戻し、再びたたかいに立ち上がり、会員拡大の成果を上げた、というドラマも生まれました。初めて会員拡大に立ち上がった会員も何人も現れました。
コロナ禍の中、農家の要求に応える「受け皿」づくりを徹底した結果、大躍進をつくり出すことができました。
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会員拡大200人達成の瞬間 |
大躍進を一過性のものにしないためにも、今後の取り組みが重要になります。給付金受給後の税金申告は、申請者みんなの関心事です。「農業関係先への香典」など計上漏れしやすい経費の話をすると、「ぜひ税金のことも教えてほしい」とノートを買ったり、青色申告部会に加入したりする人も現れています。今度は税金でも「要求の受け皿」となり、運動に継続して参加してもらえるよう、取り組みを急ぎます。
(山形・庄内農民連事務局長 梶昇司)
(新聞「農民」2021.1.4付)
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