高収益作物次期作支援の要件見直し、
経営継続補助金の改善
農民連 農水省に緊急要請
経営継続補助金
完了調査行い、未完了は予算年度の繰り越しも
農水省
農民連は12月9日、高収益作物次期作支援交付金・経営継続補助金について全国をリモートでつなぎ、農水省に緊急要請を行いました。
高収益作物次期作支援交付金は、農水省が10月になって当初はなかった「減収」を要件にする見直しを唐突に行いました。その後、10月30日までに設備投資や契約などを行った農家への「救済措置」が行われることとなりましたが、申請者をはじめ事業実施主体であるJAや再生協議会、地方自治体などの現場では申請者への説明に苦慮し、窓口では大混乱にもなっています。
事業実施主体となっている和歌山・紀の川農協から「運用見直しで、書類が増え複雑になった。農水省に問い合わせしても返事が遅い。申請期限に間に合わない」「運用見直しによる作業の増加で現場は疲弊している」との実態が出されました。
北海道からは「交付金を見込んで設備投資した。救済措置があると聞くが農協から何の指示もないまま締め切りが来てしまう。次期作支援に手を出したせいで、隣近所に借金を頼んで回らなければいけない状況だ。要件を元に戻してほしい」と訴えがありました。
農水省は事態の深刻さを把握していませんでしたが、「コロナ禍で減収にならない人までは対象にできない。12月25日は年度内の支払いを考えるとぎりぎり。今後も丁寧に説明させてもらう」と不誠実な態度でした。交付金の入金が来年度にずれ込んだ場合の事務費については「きちんと手当てをする」と回答しました。
経営継続補助金でも、申請が通ったにもかかわらず、選果機などの納品が間に合わず、交付から外される事例が後を絶ちません。
奈良県から「梅と柿の選果機の購入で申請した。梅は来年秋ごろ納品、柿は再来年とメーカーからいわれている。こうした場合も対象にしてほしい」と要請しました。
「年度内の完了が原則だが、12〜1月に事業完了調査を行い、完了できない場合は予算の年度繰越措置をして対応する」と明言。来年度以降についても「予算の繰り越しはできないが、何か手立てがないか検討したい」と回答しました。
(新聞「農民」2020.12.21付)
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