家族農林漁業
地域プラットフォーム
福島・浜通りで結成
関連/休刊のお知らせと新年号のお届け
地域の「未来予想図」描く
「当事者」増やしていこう
全国各地での家族農林漁業地域プラットフォーム立ち上げの機運の高まりを受け、6月から準備を重ねてきた「家族農林漁業プラットフォームふくしま浜通り」が11月28日に南相馬市内で設立されました。
基調講演を和歌山県紀ノ川農協・宇田篤弘組合長が行い、「持続可能な農林漁業を目指し、その当事者になろう」をテーマに和歌山での先進的な取り組み事例を挙げて、立ち上げからの経験談を紹介しました。
地域の抱える課題や背景には共通点も多く、農林漁業が内包する多面的な機能・価値の高さを再認識すべきこと、単純な働き手や一部の組織の発展を求めるのではなく、地域が結束して生きるのにふさわしい楽しみややりがいを発信することが大事だと述べました。
また、「暮らすひと」「担い手」を育てていく必要性に触れながら、未来予想図を地域のみんなでつくり描くことで、どうやってその「当事者」を増やしていくのかを語りました。
さらに、話し合って終わりではなく、過疎地域での人々の参加のし方や、遊休農地・耕作放棄地を活用する仕掛けなど、具体的に行動する機会と場面を創設していく重要性を述べました。
9月に開催した準備集会に引き続き、地元生産者を中心に市議会議員や自治体職員ほか、市民活動サポート団体、広告デザイン業者など多様な方々が出席。決起への思いと目標とするビジョンに賛同し、当日入会を決めた参加者も多く、設立についてのすべての議案が承認され、浜通り農民連の中和田吉彦会長が代表幹事に就任しました。
原発事故から10年―逆境の教訓伝え、
隔たりを越えて地域連帯のきっかけに
生産者・消費者が同じ目線で
東日本大震災と福島第一原発事故から10年、世界でも類を見ない逆境に直面した当事者である私たちのアクションが、今後の災害復興、防災や自然環境と向き合う上で、経験から得た教訓を伝えるメッセージになると考えます。
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震災・原発事故から10年。新たな一歩を踏み出した設立総会 |
生産者・消費者が同じ目線でこれからの食・環境のことを考える「地域プラットフォーム」になるように、また同じ浜通り地方内の被災状況や背景の違いからの隔たりについても、この先の連帯のきっかけとなるよう、お互いを知り学び合う機会を作り、つながりを育てることから始めたいと思います。
奇(く)しくもコロナ禍という新しい苦難に満ちた2020年、社会情勢を鑑みながらも、今を生きる人々の活動が持続可能な未来につながると信じての小さなスタートとなりました。ふくしま浜通りの新しい一歩にご期待ください。
(福島・NPO法人野馬土 酒井ほずみ)
休刊のお知らせと新年号のお届け
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次号の12月28日付は休刊にします。
次週は2021年1月4・11日付合併号(新年号)を1週間早くお届けし、年末年始にあたる翌週と翌々週の配達はありませんのでご了承ください。
(新聞「農民」編集部)
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(新聞「農民」2020.12.21付)
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