「農民」記事データベース20201214-1437-14

豪雨被災者に野菜や果物支援

熊本県農民連
八代市坂本町へ

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 九州を襲った令和2年7月豪雨から5カ月。球磨(くま)川の氾濫で大きな被害を受けた熊本県八代市坂本町に、女性部メンバーを中心に熊本県農民連で災害支援に入りました。


現地はいまだ被害生々しく
私たちにできる支援続ける

 支援では、二手に分かれて被災者を訪問。被災地の坂本町から車で30分ほどの八代市街の2カ所40戸の仮設住宅と、自宅の2階や親戚宅など、現地に残って生活されている被災者20戸ほどを、分担して訪問しました。

 八代市在住の県女性部長、紺屋本裕美子さんが地元の生産者に支援を呼びかけ、集まった、新米やキャベツ、ブロッコリーなど、7種類の野菜や果物を袋に入れて、1軒1軒、被災者に声をかけながら配りました。

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被災地に残って生活している方々を訪問し、農産物を手渡しました。骨組みがむき出しの倉庫が被害の大きさを物語っていました

 仮設住宅では、90歳ほどの一人暮らしのお年寄りが「何もかも流されてしまった。お金をかけて家を直しても、誰も帰ってこない。ここにずっといられればいいのですが…」と語っておられました。

 坂本町の被災地を回ったグループの方は、災害発生当初から被災者のお世話を続けてこられた元町議の方に案内していただきました。

 流された橋はそのまま川の中に横たわり、川と並行する国道219号も何カ所も崩れたまま片側通行となっており、流されてきたゴミが道端に積みあがっていました。JR肥薩線の線路は曲がったり、土砂が積もったりしていて、当分、復旧できそうにありません。柱の骨組みだけが残った家が、そこかしこにありました。

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流され、壊れたままの球磨川にかかる橋

 被災者はみんな、一人ひとりがそれぞれ大変な経験をされているので、どうしても話が長くなります。「森林の整備や、川底の掘削をしないで放っておいたから起きた災害だ。すぐできることをやってほしい」と話す姿に、一生懸命さが伝わってきました。

 こうした話を聞きながら、野菜や果物を届けて回りましたが、時間が足りず、後ろ髪をひかれる思いで帰ってきました。

 この日の球磨川は、浅くなった川底に秋の陽光が輝き、穏やかに流れていました。まだまだ芦北町や球磨村、人吉市にも被災者がいます。農民連では「私たちにできる支援を続けていこう」と話し合っています。

 うれしいことに、今回、支援に協力してくれた農家の方に、新聞「農民」を読んでいただくことになりました。

(熊本県農民連 野口絹代)


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大分・大分市 橘 春子

(新聞「農民」2020.12.14付)
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2020年12月

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