農家が得する
税金コーナー
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新型コロナの影響で減収
納税の猶予を勝ち取る
茨城県西農民センターでは200人を超える会員が持続化給付金の申請を行い、21人(今年合計では25人)の農家が加入しています。一方で、新型コロナウイルスの影響は大きく、確定申告で確定した消費税を一度に払えない会員も出ています。
こうした時は、国の新型コロナ対策による納税の猶予の特例措置が受けられます。
今年の2月以降、コロナ禍によって前年比で収入が20%以上減少した期間が1カ月以上あり、一度に納税が困難な場合が対象です。(5月18日付新聞「農民」3面に掲載)
通常の納税猶予では延滞税が年1・2%かかりますが、特例が認められると1年間は延滞税が免除になり、担保も不要です。猶予された税金は、事業の状況にあわせて分割納付も可能です。
会員の中村さん(仮名)は、新型コロナウイルス感染症で新設された猶予制度を使って、今年の消費税72万4300円を1年間かけて払います。
中村さんは工務店を経営していますが、今年の収入が激減。持続化給付金を申請し給付は受けましたが、消費税72万4300円が一度に払いきれなくなり、4月上旬に新型コロナ感染症のために設けられた納税の猶予を申請しました。
納税の猶予申請書を郵送し、担当者には電話で支払いが困難であることを伝え、何度か電話でのやり取りをする中、約半月後に税務署から許可通知が届きました。
納税の猶予認定延滞税が免除に
新設された納税の猶予が認定されたことで猶予期間中の延滞税はかかりません。もし期限内に払いきれなくなった場合、さらなる納税猶予や換価の猶予などの申請をすることができます。
中村さんは猶予制度を利用することができよかったと感想を述べています。
農民センターでは中村さんを含め2人が新型コロナウイルス対策で新設された納税の猶予を利用し、他に6人の会員が通常の猶予制度を使って分納をしています。
うち1人の会員は今年、地方自治体から滞納税金の執行停止を勝ち取っています。執行停止処分は、納税者の経済状況が3年間改善しない場合、滞納している税金は免除になる制度です。
(茨城県西農民センター 初見安男)
(新聞「農民」2020.12.7付)
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