コロナ禍でも調査を継続
GM汚染広げず生物多様性を守ろう
GM(遺伝子組み換え)ナタネ
自生調査報告会
申し入れなどで協力的な
対応に変わった企業も
「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク」(食農市民ネット)と「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」は10月15日、国会内で2020年全国遺伝子組み換え(GM)ナタネ自生調査報告会を開きました。今回は、オンラインでの中継も行われました。
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開会あいさつする天笠代表 |
フェイスブックでライブ配信も
食農市民ネットの天笠啓祐共同代表が開会あいさつ。「ナタネなどもゲノム編集栽培が始まろうとしている。生物多様性を守るためにも引き続き監視を」と呼びかけました。
全国調査の結果が報告され、キャンペーン集約分のうち37都道府県で取り組まれ、総検体数756、除草剤ラウンドアップの成分グリホサートをまいても枯れにくい性質(RR耐性)のGMナタネが7、除草剤バスタの成分グルホシネートをまいても枯れにくい性質(LL耐性)のGMナタネが42でした。
自生調査に取り組んだ各団体が報告。コロナ禍でも工夫しながら調査を継続しました。
あいコープみやぎは、石巻港でRR耐性2、LL耐性7検体を確認し、参加できなかった組合員のために、初めてフェイスブックでライブ配信を実施したことを報告しました。
生活クラブ連合会からは、北海道小樽港と静岡県浜松市で初めてGMナタネが発見されたことが報告され、農政事務所、道庁、小樽市に調査と防止策などを求める要望書を提出しました。
コープ自然派事業連合は、兵庫県神戸港と香川県坂出港でGMナタネが見つかったことを紹介。昨年、行政や製油会社に申し入れと懇談を行った結果、企業側は草刈り機による刈り取り、定期清掃を実施するなど協力的な対応に変わってきたと述べました。
給食に非GMを要望
“不使用”勝ち取った
グリーンコープ共同体は、RR耐性3、LL耐性14検体を確認。グリーンコープくまもとでは、2017年から学校給食にGM食品を使用しないよう要望し、菊池市では非GMのナタネ油に切り替えが実現。水俣、熊本市は「学校給食にGM食品は使用しない」と回答し、天草市では、「学校給食物資納入の手引き」を新たに発行し、「GM食品を使用したものは受け付けない」旨を明記するなどの成果を勝ち取っていると報告しました。
遺伝子組換え食品を考える中部の会は今回、三重県内でアブラナ科植物同士の交雑による雑種の調査に取り組み、雑種とみられる7検体のうち6検体がGMだったことを述べました。
今回、新たにパルシステム東京が調査に参加しました。
最後に食農市民ネット共同代表の河田昌東さんが、「GM汚染を広げないためにも調査活動を継続し、さらに参加を広げてほしい」と訴えました。
(新聞「農民」2020.12.7付)
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