高収益作物次期作支援交付金の
運用見直し
10月30日までに投資済みの農家へ
追加支援策を発表
新型コロナ禍対策の高収益作物次期作支援交付金は、1次募集終了後の10月12日に、突如運用見直しが発表されました。減収額を給付上限とする見直しで、すでに投資をしている農家からは、大きな不満の声が上がっていました。
農民連は10月23日に緊急の農水省要請を行い、運用見直しの撤回を要求。各地から、多くの不安の声が寄せられ、開会した臨時国会でも取り上げられました。
こうした中、農水省は10月30日、追加措置を発表して投資済みの生産者への支援を明らかにしました。
対象となるのは、今回の運用見直しで交付額が減額またはゼロになった生産者のうち、事業開始(4月30日)から10月30日までの間に、次期作に向けて、新たに機械・施設の整備や、資材等の購入、発注を行った生産者です。
機械や施設はその取得費。それ以外については掛かり増し経費分(通常使う以外の新しい資材や、増量した資材など)となります。
交付額は運用見直し前の予定額か実際の事業額の低い方が上限です。要件変更後も一定額が支払われる農家は、見直し前と後の交付額の差額が追加措置の上限となります。
すでに投資をしている生産者への支援が実現したことは大きな前進です。一方で、これから取り組みを行う予定だった生産者との間に新たな差別を生むことになりかねません。また、新たな資料の提出にともない、農協などの事務負担は増加します。
そもそも「個々の被害に関わらず、新型コロナ禍の被害を受けた作物で次期作に意欲的に取り組む生産者を支援する」という制度の趣旨を、根本から変えてしまう見直しを軽々しく行ったことに、原因があります。
農民連は引き続き、現場の声を集めながら、見直しの撤回を求めていきます。
(新聞「農民」2020.11.16付)
|