福島原発の汚染水
海洋に放出するな
JCFU全国沿岸漁民連が要請書
日本の水産業全体に甚大な被害を与える
東京電力福島第一原発の事故処理によってトリチウムなどの高濃度の放射能汚染水が増え続けている問題で、政府は11月中にも関係閣僚会議を開催し、汚染水の海洋放出を正式決定すると報道されています。
JCFU全国沿岸漁民連は10月20日、汚染水を海洋放出しないよう求める要請書を、政府あてに送付しました。
原発事故により、日本の農林水産業は価格の下落、外国の輸入規制などの打撃に直面。とりわけ福島県の漁業はいまだに本格操業に至っておらず、試験操業の漁獲量は震災前の2割以下という水準にとどまっており、水産加工業や仲卸業、小売業も依然として厳しい状況が続いています。
民間のシンクタンクの技術者らは、大型タンクでの貯留やモルタル固化処分などの代替案も提起しており、要請書では、海洋放出だけが唯一の解決策ではないことにも言及。「ここで海洋放出がなされれば、新たな風評被害が上乗せされ、福島県のみならず日本の水産業全体に甚大な被害を及ぼすことは必至」と、強い危機感を持って海洋放出を行わないよう訴えています。
全漁連も猛反対
汚染水の海洋放出をめぐっては、福島県のみならず全漁連(全国漁業協同組合連合会)や各地の漁協、農協、自治体などからも続々と反対の声が上がっています。また、福島県農民連も「ふくしま復興共同センター」などと共同し、海洋放出反対を賠償請求などと併せた運動の大きな柱として取り組んできました。全国からも「汚染水を海洋放出するな」の声を政府に集中しましょう。
(新聞「農民」2020.11.2付)
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