大阪都構想にノーを
都構想の問題点は―
大阪農民連・田中豊会長(寄稿)
是非問う住民投票に支援よびかけ
大阪市を廃止・分割することの是非を問う住民投票が11月1日に行われます。大阪市を廃止・分割し、住民サービスを切り捨て、衰退させるのか、それとも、大阪市を存続し、市民の命と福祉、くらし第一の新しい大阪に転換するのかが問われています。大阪農民連の田中豊会長に都構想の問題点を寄稿してもらいました。
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「都構想にノーを」と呼びかける市民ら=10月26日 |
住民サービスの縮小をかかげる
「大阪都」構想で大阪維新の会の主な主張は「大阪府と大阪市の二重行政の解消」と「大阪の成長を取り戻す」です。
9月28日に、朝日放送テレビが都構想を巡る討論会(維新・公明・自民・共産の各代表)を放映しました。この場で維新代表の松井一郎・大阪市長は「今は二重行政の問題はない」と発言しました。橋下徹氏に続き松井氏と吉村洋文氏(府知事)が交互に知事と市長を務める維新の府・市政で、住吉市民病院の廃止、府立公衆衛生研究所の統合、府立大学と市立大学の統合(大阪公立大学)などが進められました。
今回の都構想でも市民プール(24→9)スポーツセンター(24→18)老人福祉センター(26→18)子育てプラザ(24→18)などの縮小を掲げていますが、この発言は、維新の思い通りになれば結構という無責任なものです。
討論会で共産党の山中智子大阪市議団長が「成長って何ですか、カジノ誘致のIR構想じゃないですか」とズバリ指摘しました。
財源も権限も集中し開発推進
大阪湾岸には、舞洲、夢洲、咲州という広大な人工島があり、1980年後半のバブル経済に浮かれた頃、この地を先端技術の集積や世界とアジアの貿易センターにする構想のもと、各種の開発投資がされましたが、バブル崩壊とともに巨大な負債を抱えて頓挫し、今はペンペン草の生えた空き地と閑古鳥が鳴く貿易センターが残されています。
2025年に夢洲で大阪万博の開催が決まりましたが、その後の開発投資をもくろむのが「カジノを含む統合型リゾート(IR)」設置です。地下鉄延伸などのインフラ整備を含め巨額の投資と収益を見込みます。これを含め府下での開発投資を、一人の司令官(府知事)に財源も権限も集中してやるというのが「大阪都」構想の核心に他なりません。結局こういったことで誰が得をし、誰が損をするかは言うまでもないでしょう。
特別区分割後は元にもどせない
肝に銘じるべきは、特別区に分割した後「あー、だめだった」で元に戻せないことです。そしてもう一つ、堺市など周辺自治体は「議会決議」だけで特別区に移行できることです。「大阪都」構想は否決以外の選択肢はありません。
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「住民投票」支援募金(明るい民主大阪府政をつくる会)
郵便振替
00970―2―101339
※通信欄に住所、氏名、「住民投票募金」と明記してください。
(新聞「農民」2020.10.26付)
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