この人
果樹園「かいたファーム」夫とともに経営する
海田春水(かいたはるみ)さん(44)
=山口・周南市在住=
食べる人にも作る人にも
環境にも優しい農業を
新規就農4年目の海田春水さん。山口県周南市で1・4ヘクタールのナシ・ブドウ園を夫婦で営んでいます。直売所や全国に出荷するほかナシ狩り、ブドウ狩りも楽しめます。
農業は海田さんの子どもの頃からの夢でした。
「他業種で働いていましたが、東日本大震災の報道に触れるなかで、自分の本当にやりたいことをやろうと思い、今の農場の隣で同級生が新規就農していたので、そこでアルバイトをさせてもらうことにしました」
農園でアルバイト中に隣の農園が後継者を探している話が舞い込みました。
「脱サラした夫が『人に使われるのでなく、自分で考えて仕事をしたい。ものづくりがしたい』と話していたので『いい話があるよ』と夫を農業の世界に引っ張り込みました」
かいたファームでは「食は命の源」をモットーに化学肥料・農薬の使用量を慣行の50%以上減らした「エコ山口農産物」の認証を取得しています。
「この地域は果樹農家が多く、減農薬で栽培することについて、周りからいろいろ言われることもあります。でも、環境や食べる人、使う人両方の体のことを考えると、できるだけ減らしたい。安全なものを求めるお客さんに応えたいのです」
かいたファームには2匹の羊がいて、除草に大活躍しています。
「新日本婦人の会の集まりで『羊が飼いたい』といったら、譲り受けることができました。なんでも言ってみるものです」
海田さんは今回、農民連加入を決意しました。
「給付金の情報など勉強になる記事もあり、全国のがんばっている仲間に励まされています。地域では農薬などに対して同じような思いの仲間がいないので、農民連の仲間と横のつながりを作っていきたいです」
(新聞「農民」2020.10.26付)
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