発見
農の現場から
山梨県農民連会長 佐野安男
猛暑が果樹栽培を直撃
「猛暑日22日間、最多、甲府8月」
「ブドウ収穫量4割減、晩腐病拡大」
「果樹病害、着色不良相次ぐ」
「桃せん孔病、今年も多発」
9月に入って地方新聞各紙の見出しにこんな文字が躍っていました。7月の多雨、8月に入っての連日の猛暑。果樹農家の多い山梨県らしい新聞記事です。
地球温暖化進むなか新品種で活路を模索
県農民連の会員も果樹栽培を経営主体にしている割合が高くなっています。近年、桃にしてもブドウにしても新品種の登場で、その選定と更新に苦慮しています。ブドウを栽培している農民連会員の何人かはデラウェア種から人気のシャインマスカットに更新しています。
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佐野会長が栽培するシャインマスカット(甲府市) |
前会長の丹沢民雄さんは、自家自噴温泉の活用でシャインマスカットのハウス栽培に成功。副会長の久保貴宣さんは、桃中心の経営からシャシンマスカット種の導入へと切り替えています。
私も梨のハウスが大雪で倒壊の被害に遭い、その後、マンゴーのハウス栽培を始めました。結果はほどほど。今年は直売所も含め、レストランなどからのオファーも多くあり、希望がもてます。
地球温暖化の影響でしょうか、冒頭に記した通り異常気象の昨今です。
真髄は農業守るため力を合わせること
農業はお天気次第といわれるように、それは経営の存亡に関わる重大事です。コロナ禍のような一大事や社会情勢も農業環境も日々変わるなか、その真髄の農業を守り育てるために力を合わせられるかどうかにかかっていると思います。
新型コロナウイルスの発生により農民連の会合など集まることが困難な状態で活動の制限を余儀なくされていますが、事務局の努力で産直活動などは継続しています。早く会員相互の連携、情報交換が通常に戻ることを願っているところです。
(新聞「農民」2020.9.28付)
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