「農民」記事データベース20200928-1426-07

持続化給付金の申請で
会員数が5割増に

山形 庄内農民連

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 山形県の庄内農民連では、持続化給付金の申請による仲間づくりが大きく広がっています。9月19日現在で79人の入会者を迎え、会員数は前期比で5割増となりました。


 会員に入金され「多くの農家に知らせたい」

 酒田市と飽海(あくみ)郡を活動地域とする飽海支部では7人から59人へと約8倍の大躍進。中でも平田地域(旧平田町)では39人の入会者を迎え、躍進の中心地となっています。

 平田地域での躍進のきっかけは、7月9日に同地域で開催した申請相談会でした。「本当に受給できるのか半信半疑だった」と参加した斎藤孝雄さん(69)は、説明を聞いて多くの農家が申請できることを理解。同月25日に開催された第1回集団申請に親せきと一緒に参加しました。

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申請相談会であいさつする斎藤孝雄さん

 簡単に申請ができ、約1週間で給付金が入金されたことで確信を深めました。「多くの農家に知らせたい」と考えた斎藤さんは、平田地域で2回目となる相談会の開催を計画。8人の準備会を立ち上げ、8月30日に42人の参加で相談会は大成功しました。

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8月30日に行われた申請相談会(酒田市)

 申請会場には『税金対策の手引き』や『記帳簿』を置き、農民連の自主申告や産直事業の優位性も説明しました。『記帳簿』を購入し、青色申告部会や産直事業への参加を表明する人も現れました。

 新入会員が友人に自主申告運動の話をしたら、「入会したい」と言われるなど、仲間づくりの輪が広まっています。

 今回の躍進で旧町村単位の支部・班建設の展望がみえてきました。

 また、鶴岡市の羽黒地域(旧羽黒町)を活動地域とする羽黒支部も、新入会員が知り合いの農家に申請を勧めるなどして12人の仲間を迎え、22人へと倍加しました。

 申請サポーターで支援態勢を強化

 庄内農民連では「持続化給付金の申請を手伝ってほしい」という要求に応えるため、「集団申請」を実施してきました。7月末で国が設置した鶴岡市の申請サポート会場が閉鎖となり、「国がやらないんだったら農民連がやる」ということで、8月下旬から毎週土曜日に「集団申請窓口」を定例開設することにしました。

 8月30日の相談会に多くの農家が参加し、また最近では梶昇司事務局長に「友人から梶さんに電話すると持続化給付金のことがわかると聞きました」という電話が頻繁にかかってくるようになり、さらに漁業者からの相談もあり、集団申請窓口が多数の来場でパンクが懸念される事態となりました。

 そこで、「申請サポーター」を募集し、9月から4人の会員がサポーターとして活動。大きな力になり、申請に訪れた人にも喜ばれています。

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申請サポーターの太田美紀さん(左)と齋藤寛子さん

 新型コロナによる減収が明らかに

 9月11日にはJA全農山形が今年産米の概算金を発表、800〜1000円減(60キログラム当たり)となり、新型コロナによる稲作農家の減収が確定的となりました。9月初旬の大雨で倒伏被害が多発した中での減収に、農家に落胆が広がっています。庄内農民連では再度大量宣伝を行い、申請相談会を十数カ所で開催することにしています。

 梶事務局長は「新型コロナによる減収が農家を直撃している。多くの農家に堂々と申請できることを知らせ、会員拡大をもっと大きく進めてゆきたい」と意気込んでいます。


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三重・大台町 成田千恵子

(新聞「農民」2020.9.28付)
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2020年9月

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