深刻な米価大暴落
10・1米価暴落阻止中央行動へ
全国から怒りの声を結集しよう
概算金と取引価格が大幅下落
農民連が早くから懸念し、対策を求めてきた今年産米価の下落が現実のものになっています。JAの概算金は、東北、新潟、関東産米で700円〜1500円も下落しています。米卸などと産地の取引価格ではさらに下落幅が大きく、新潟産コシヒカリで前年より2100円安、関東コシヒカリも2000円以上下落している銘柄もあります。
この原因は、2019年産古米在庫を抱えている米卸などが「仕入れを急いでいない」という状況にあるからです。
また、集荷業者の動きも深刻です。通常、集荷業者は集荷と支払いを同時に行いますが、「今年は代金を少し待ってほしい」「契約していたものは1万3千円払うが、それ以外は9000円でないと買えない」などの動きがあります。これは、資金調達の厳しさと高い仕入れは命取りになりかねない販売価格の下落に原因があります。19年産の在庫と価格下落が集荷業者の経営を直撃しているのです。
まさに、「米作って飯食えねえ」であり、「米商(あきな)って飯食えねえ」です。
来年は主食用米90万トン削減も
こうしたなか、9月10日の自民党の農政関係会議で、全農(全国農業協同組合連合会)から「2020年産米20万トン隔離」の考えが示されました。こうした努力に対して市場からは「不十分」という評価が聞こえます。
しかも、重大なのは、全中(全国農協中央会)の試算によれば、仮に今年「20万トン隔離」しても、過剰米対策として21年産米の主食用米生産は90万トン減少させなければならないとしていることです。
米を市場原理に丸投げして政府が価格と需給に対する責任を放棄しているところに襲いかかったコロナ禍。矛盾が一気に拡大し、価格を維持するには生産量を減らすことしかないというのが今の現実です。政府の「米政策」は大破たんしており、「瑞穂の国」の米危機です。
当座、新型コロナにより消滅した需要減少分は、国が責任をもって「過剰在庫」を市場隔離すべきであって、その責任を生産者・流通業者に押し付けることは許されません。
政府の責任による完全な隔離対策を求めて、引き続き全国各地から政府への要求運動を強めましょう。
農民連は10月1日に米価暴落阻止オンライン中央集会を開催します。ゲストスピーチに、東京大学の鈴木宣弘教授が決定しました。農水大臣要請、議員要請行動も計画しています。刈り取り最盛期ですが、作業中のコンバインの上からの参加も大いに呼びかけます。
(新聞「農民」2020.9.28付)
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