来年で原発事故から10年
原発をなくす全国連絡会
連続学習会
福島の今を考える学習会
原発をなくす全国連絡会は8月25日、第18弾の連続学習会を開催しました。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、オンライン配信を併用しての開催です。講師は原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表の伊藤達也さん。「原発事故から10年を迎える福島の今を考える」をテーマに行いました。
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オンラインで講演する伊藤さん |
8万人以上がいまだに帰れず
伊藤さんはまず、避難指示が出た12市町村では、2011年3月に比べ、8万3千人(亡くなった人を含む)が帰還できていないことや、子どもの帰還がほとんど進んでいないこと、浪江町や富岡町、大熊町は帰還率が約1割かそれ以下で、商店街も住宅地も取り壊しが進み、地域社会はまともに機能できない状態で、生業も元に戻っていない現状を報告しました。
復興にあたっても、「医療・介護保険の減免措置の見直しや、惨事便乗型のまちづくりともいえる『イノベーション・コースト(国際研究産業都市)構想』が進むが、住民の望むのは『元の生活の復興』だ」と指摘します。
運動こそが決着をつける
最後に伊藤さんは「多くの福島県民には新型コロナ禍を超える苦しみが9年にわたって続いているが、政府と電力会社は原発推進のエネルギー政策を全く見直そうとしていない。このままでは『原発大事故、次も日本』であり、何としても防がなければならない」と訴え、「3・11の教訓を語る、粘り強い運動こそが決着をつける。希望と展望は私たちにある。新型コロナ禍の中でも創意工夫を凝らしながらたたかっていこう」と呼びかけました。
(新聞「農民」2020.9.14付)
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