本の紹介
古沢広祐 著
食・農・環境とSDGs
持続可能な社会のトータルビジョン
食と農と環境を結んでSDGsを考える
国連が2015年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)については、17の目標や「誰も置き去りにしない」というスローガンが広く知られるようになりました。通勤電車ではSDGsの17色のピンバッジを身につけたビジネスマンの姿もよく見かけます。
では17の目標が相互にどのような関係にあるか、そしてSDGsを実現するために、生産や消費のあり方や、社会や経済のシステムをどのように転換しなければいけないかについての議論や理解はまだまだ十分には深まっていないようにみえます。
著者は、環境社会経済学、農業経済学などを研究するかたわら、長年にわたって地球市民的なNGO活動にかかわり、1992年地球サミット(国連環境開発会議)以来の国際会議に参加し、SDGsが採択されるに至る議論の過程をつぶさに見てきました。
本書はその経験を生かし、食・農・環境という生きるためのベースの変革を軸にして、SDGsを実現するために社会経済システム全体をどう転換していくかの見取り図が示されています。そこでは、総合的視点からのアプローチとともに、研究者としての立場を超えて実践的な立場からも執筆されているのが特徴です。
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A5判並製、248ページ
定価 2300円+税
注文・問い合わせ先 農山漁村文化協会(農文協)電話 03(3585)1142、Fax 03(3585)1145
(新聞「農民」2020.8.31付)
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