給付金や税金 農民連と一緒に
都北農民組合
新たに21人が入会
宮崎
給付金の申請を通して
税金・国保・年金など話題に
宮崎県の都北農民組合では、持続化給付金の申請でつながりを持った人たちが、所得税の申告、免税軽油の取り組みでも一緒にやりたいと、これまでに21人が新たに入会しました。
「母牛が少なくなり、子牛も安くしか売れないし、牛飼いをやめようかと思っていた」という80代の男性は、持続化給付金がもらえることになり、「体力にはまだ自信があるので、子牛を買って牛飼いを続けたい」と喜んでいます。こうした実績が口コミで広がり、農民連の持続化給付金相談会には、会員の紹介でたくさんの人が参加してきています。
農家の困りごとの深刻さ
切実な思いが浮き彫りに
宮崎 都北農民組合 有田枝梨子さん
ところが参加された方の確定申告書を見てびっくり! 「収支内訳書」を見せてもらうと、経費の科目に空白が多かったり、専従者控除や牛の免税をしていないことに気づきました。これらについては、「所得税がかからなくても、所得が減ることで国保税が安くなる」「牛の免税をしていると、譲渡所得や年金所得がある人は減税になる場合がある」ことなどを、一人ひとりにていねいに説明。「農民組合に加入して、納得できる自主申告を一緒にやりませんか」と呼びかけました。
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組合事務所で相談に応じる有田さん(右) |
また和牛生産者や林業者など機械が多く、軽油をたくさん使う人には免税軽油制度の魅力も説明し、ここでも新会員が相次いでいます。
年金の受給資格が判明した人も
給付金の申請相談をきっかけに、年金が受給できるようになった人もいます。
こじんまりと事業経営をしている70代の女性は、年金の手続きに行っても「年数が足りない」と言われ、年金をもらっていませんでした。しかし詳しく話を聞くと、「夫は厚生年金だった」とのことで、「第3号被保険者に該当するのでは?」と一緒に調べに行き、やはり受給できることが判明しました。
女性は、「年金がないので、いつも払うに払えない健康保険や介護保険税のことが頭から離れず、たいへんでした。年金がもらえれば、安心して事業に打ち込めます。本当にありがとうございました」と、感謝されました。
このように持続化給付金の申請支援を通じて、給付金の受給にとどまらず、税金申告や免税軽油、年金や国保税減免など、農家をはじめ地域の方々が直面しているさまざまな困りごとが、次々に話題に上がってきます。その深刻さや、切実な思いに、「『農民の苦悩ある所、農民連あり』といいながら、まだまだ私たちの気付いてないことがたくさんあるなあ。まだまだ不十分だなあ」と、深く反省させられています。
今後も会員とともに申請運動にとりくみ、さらなる会員拡大をめざします。
(新聞「農民」2020.8.24付)
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