コロナ禍による米価下落阻止へ
全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)と懇談
農民連とふるさとネット
生産基盤の弱体化を懸念、
生産と流通つなげる重要性確認
農民連と農民連ふるさとネットワークは7月30日、米穀卸売業者の全国団体である全国米穀販売事業共済協同組合(全米販、東京都中央区)を訪問し、全米販の木村良理事長らと米の需給状況や政府への要請などについて意見交換しました。
要請には、農民連の笹渡義夫会長、吉川利明事務局長、ふるさとネットの湯川喜朗事務局長らが参加しました。
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全米販の木村会長(左)らと懇談する笹渡会長(右)ら |
冒頭、農民連から、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、米の需要が消滅し、2019年産米の「過剰」在庫が原因となって、米価の大暴落が懸念されることを指摘。政府が進める20年産主食用米の飼料用米等への転換のみでは下落は阻止できないことを述べ、「備蓄米の追加買い入れによる19年産米の市場からの隔離対策、保管経費の補助などの対策を政府に求めている」と紹介しました。
木村理事長は、「コロナ禍で米の需要が削られて、想定外のことが起こり、厳しい状況になっている。売れ行きが落ち、立ち行かなくなっている業者もでてきている」と現状を語りました。
笹渡会長が、農業者の高齢化、農業の大規模化、農地集積などの弊害を述べ、米価下落によって大規模農家を含めた離農が進み、地域経済が維持できなくなることを指摘しました。
これに対し、木村理事長は、米穀流通業界も同じような状況にあり、米穀店の減少も激しく進んでいる実態にふれるとともに、生産基盤の弱体化の現状にも懸念を表明し、「生産者がいなくなればわれわれも困る。輸入米だけでは商売はできない。生産と需要を結びつけ、信頼関係を築くことが大きなテーマ。そういう場面にきている」と述べました。
双方は今後も情報交換などを行うことになります。
農民連とふるさとネットは29日、JA全中(全国農協中央会)と懇談。米価暴落阻止で一致しています。
(新聞「農民」2020.8.10付)
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