「農民」記事データベース20200720-1417-09

埼玉

市民太陽光発電所が竣工式

産直ネットワーク協会と県農民連


パネル下を農業生産に利用
エネルギーも地産地消しよう

 農事組合法人「埼玉産直ネットワーク協会」(加須市)の敷地の一部を活用した加須市民太陽光発電所が完成し、6月30日に関係者が参加し、竣工式が行われました。

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発電所の完成を喜ぶ参加者

 この発電所は、埼玉農民連と同協会が共同で計画し、準備してきたもので、同協会の畑と駐車場にまたがる約500平方メートルに、設備容量50キロワットのソーラーシステムが建設されました。一部は2・5メートルの支柱を立ててソーラーパネルを設置し、パネル下を農業生産に使うソーラーシェアリングになっており、現在、ゴボウやキュウリなどを栽培。いずれは一本オーナー制でのブルーベリー栽培なども計画しています。

 建設費約900万円のうち、3分の1の300万円は市民からの出資をよびかけ、残り3分の2は政府金融公庫からの融資で調達。市民出資は、一口3万円または6万円を出資してもらい、米や野菜、畜産物や食肉加工品など3000円分の農産物を年1回(または2回)、10年間かけて送ることにしています。現在、農民連会員や新日本婦人の会の会員、県食健連などの仲間を中心に、募集目標の半分近くまで到達しており、埼玉農民連では引き続き市民からの出資を呼びかけています。

 発電した電気は、当面、東京電力に売電しますが、埼玉市民エネルギー協会が市民による新電力会社「彩の国でんき」を設立し、今年秋にも再エネ電力の販売を始める予定であることから、「彩の国でんき」発足後は同社に売電する予定になっています。

農民こそ再エネの担い手に

 まずやってみる

 竣工式では、埼玉農民連の立石昌義会長があいさつ。「福島第一原発事故で、原発が人間の力では制御できない危険なものであることがよくわかった。これからは地球温暖化を防ぐ自然エネルギーの時代だ。この市民発電所のとりくみを、エネルギーの地産地消の第一歩にしていこう」と呼びかけました。

 ネットワーク協会専務理事の松本慎一さんは、「たしかに最近、太陽光発電の固定買い取り価格は下がってきているが、建設費も下がっており、赤字になることはない。ソーラーシェアリングは自然にやさしく、食料供給とも両立できる発電方法だ。自然破壊の大規模ソーラー開発などではなく、農民こそ再エネ普及に取り組むべき。まずはやってみることが大切だ」と強調しました。

(新聞「農民」2020.7.20付)
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2020年7月

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