「農民」記事データベース20200713-1416-09

農民連会員 日置さん宅に残る石柱

ダム開発前の木曽川の歴史語る

岐阜・可児市

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「日置水車・大正八年」
水車回し、製麺か
家族の大切な歴史を刻む

 岐阜県可児市の日置さんの庭に、「日置水車・大正八年」と刻まれた標柱が見えています(写真)。どういうことだろうと家の日置祥子さん(可茂農民組合員)に聞きました。

 かつて、木曽川には櫓(ろ)や杉の丸太を筏(いかだ)に組んで流していた風景がありました。

 しかし、1936(昭和11)年、木曽川と飛騨川の合流点から800メートル下流に今渡ダムと発電所の工事が始まり、39(昭和14)年にダムが完成して風景は一変しました。

 日置さんの水車はその合流地点あたりにあって、1919(大正8)年改作と刻まれた石柱があります。そこから推量するともう少し以前から水車を回し、製麺をやっていたのではないでしょうか。

 しかし、ダムができてやめなければなりませんでした。きっと家屋も今のところへ移られたのでしょう。その時、「日置水車」と刻まれた標柱が、庭になるところへ浅く埋められていて、駐車場をつくろうとして出てきました。

 こうして日の目を見ることとなりました。日置さんの大切な歴史です。

(岐阜・可茂農民組合可児昭治)


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大阪・松原市 関戸しげみ
 
青森・むつ市 柳谷マサ子

(新聞「農民」2020.7.13付)
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2020年7月

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