今ある制度をフル活用
岩手県農民連
持続化給付金 畜産以外にも
稲作、野菜、花に活用広がる
夏にむけて畑作物の出荷が増えてきている岩手県。コロナの影響が、畜産以外にも徐々に広がり始めています。
ピーマン農家は「正品の単価はともかく、業務用は値段がつかない。とにかく品質のいいものをつくるよう、農協からは言われている」と語ります。
このようなもと、持続化給付金の計算・申請に向けた取り組みが全県で広がっています。奥州市の齊藤公男さん(江刺農民組合組合長)はグリーンツーリズムの受け入れができずに減収。給付金を申請し、さっそく入金されました。江刺農民組合では、まずは被害が大きい畜産農家の会員やグリーンツーリズムに取り組む農家に呼びかけて、計算会を連続的に開催しています。
盛岡では県連主催で周辺の農民組合に広く呼びかけ、6月中旬に説明会を開催。稲作、畜産、野菜、花など様々な内容の農家8人が参加しました。
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岩手町の野菜農家を対象に計算会を開催=6月25日 |
討論では「自分は対象になるのだろうか」という率直な不安も出し合いながら交流。米も野菜も危機的な状況にさらされているという実態を話し合うなかで、「しっかり活用し、周りにも広げよう」と論議が深まりました。
また、県連事務所へ相談に来た繁殖牛農家の会員は、「農協からは『対象にならない』と言われて困っていた」とのこと。減収が大きく、100万円の給付金でも十分ではないことから、農林漁業セーフティネット資金の申請方法を紹介しました。
県連では、「いまある制度はフルに活用する」「周りの農家にもれなく呼びかける」「対話を通して出された要求は、運動で打開する」の立場で、全県に論議を呼びかけています。
(岩手県農民連 岡田現三)
(新聞「農民」2020.7.6付)
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