イージスアショア
配備計画停止
候補地から歓迎の声
河野太郎防衛相は6月24日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を停止すると表明しました。陸上イージスの配備候補地として選定されていた山口、秋田両県から歓迎の声があがっています。
山口県農民連 世良輝久(岩国市)
6月15日、河野太郎防衛相の「イージス・アショア」配備計画停止表明からわずか10日で撤回。北朝鮮の弾道ミサイル迎撃を配備理由としてきたはずですが、脅威がなくなったわけではなく、米国との最近の関係でますます膨らんでいます。
配備計画停止の理由は、迎撃ミサイルのブースターの民地落下やこれ以上多額な費用をかけて高度の誘導システムを組み込むことはできないという説明でした。しかし、今回の撤回では、代替地が困難と説明しました。
そもそも、北朝鮮からハワイ島・グアム島を線で結ぶと山口県と秋田県を通る。それが理由かどうかは定かではありませんが、政府はこの2県にこだわってきました。
青天のへきれきです。撤回は大歓迎ですが、あの安倍首相が撤回するなんて、何かおかしい。この配備計画も以前の様々な問題と同様に国民に対する納得いく説明はありません。近隣住民の配備反対の大きな盛り上がりも要因の一つと考えられます。今後の動向に注視しよう。
秋田県農民連 鈴木万喜夫(秋田市)
2年半に及ぶ地元住民の粘り強い運動と県民世論に訴えてたたかいを広げた各分野の運動の成果として大いに歓迎します。陸上イージスをめぐっては、昨年の参議院選挙で「反対」を掲げた野党統一候補が、当初、優勢が伝えられていた自民党現職を破りました。
各地域での小集会の開催、全県あげての署名活動の展開があり、予定地であった新屋・勝平地区から遠く離れた町内会からも反対決議があがりました。
一貫して陸上イージス撤回に抵抗した自公会派も2月議会で「撤回を求める決議」に同意し、ほとんどの市町村議会で意見書が採択されました。
こうした動きが知事や市町村長を動かし、県議会にいたっては6月議会で白紙撤回を求める意見書が全会一致で採択されました。
この間、検察庁法改悪阻止、種苗法改定見送りなど、国民の声が国政を動かしているのを大きな確信にしたい。
(新聞「農民」2020.7.6付)
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