コンニャク作りの技術を
次の世代に継承したい
石川
若い女性農業者が後継者に名乗り
和気あいあいと手作りの工程学ぶ
石川県農民連は産直で長い間、年に1〜2回ほど、手作りコンニャクを供給してきました。作ってくださっていたのは、会員の竹本弘子さんです。以前はコンニャク芋も竹本さんが栽培していましたが、高齢のため、数年前からは農民連会員の中邦雄さんが栽培を引き継いでくれることになり、現在に至っています。
コンニャク芋は栽培に3年かかり連作できないことから、なかなか生産者を増やすことができませんでした。これに加えてこの度、竹本さんがコンニャク作りからも引退することになり、あわや「手作りコンニャクももう終わりか…」という事態に。
そんな時、「次世代にコンニャク作りの技術を継承したい」と、手を挙げてくれたのが若い米農家の杉元聡子さんでした。杉元さんは農民連会員の山口征男さんの紹介で能美市に田んぼを借り、無農薬の米作りに夫婦で取り組んでいます。米検査員の資格も取り、農民連の米検査もがんばってくれていて、お菓子作りや農産加工も好きという、力持ちさんです。
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コンニャク芋と格闘中の杉元さん |
3月6日に杉元さんのお宅で、竹本さんを講師に迎えて、コンニャク芋100%のコンニャク作り教室を開催しました。材料のコンニャク芋は中さんにご用意していただきました。
コンニャクの製作は、(1)芋を洗って皮をむく、(2)3センチ角に切る、(3)水と一緒にミキサーで撹拌(かくはん)し、(4)鍋に移して火にかける、(5)炭酸ナトリウムを入れ(化学反応で徐々に固まる)、(6)型に移し、平らにならす、(7)冷まして固める(最低3時間以上)、(8)形に切ってゆでる、(9)固まるまでゆでたら、冷水にさらしてでき上がり、です。
ベテランのこだわりいっぱい
工程を習いながら、その都度、注意点も教わり、和気あいあいと作業が進行しました。コンニャク芋の栽培の難しさや、1枚のコンニャクになるまでは長い時間がかかること、この作り方だとスーパーのような価格では到底つり合わないことなどを話し合い、中さんと竹本さんのこだわりが詰まったコンニャク作り体験になりました。
実際にできたコンニャクはお刺身で試食。ツルンと喉ごしが良く、食感も滑らかでたいへんおいしかったです。
今後は、杉元さんが中心となって、コンニャク芋栽培とコンニャク作りをすることになり、杉元さんからも「とりあえずがんばってみる!」と頼もしい声も聞くことができました。農民連としても、できる限り支えていきたいと思います。今後が楽しみです。
(石川県農民連 宮岸美則)
(新聞「農民」2020.4.6付)
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