農のこころ丸山美沙夫
菜をきざむ音さくさくと春たてり 大賀 豊泉 『ザ・俳句歳時記』から。この野菜は何かは見せない。そこにこの作の面白さ、明るさを感じさせるのである。「春たてり」の季語を生かして、野菜を刻む音に、冬から春への待ちどうしかった思いが凝縮されて溢れ出るようだ。短詩型の俳句では擬音を使って詩法表現したもの。厨から響くリズムは家族の明るさにも。
(新聞「農民」2020.3.16付)
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[2020年3月]
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