「農民」記事データベース20200316-1400-04

農のこころ

丸山美沙夫


 菜をきざむ音さくさくと春たてり

             大賀 豊泉

『ザ・俳句歳時記』から。この野菜は何かは見せない。そこにこの作の面白さ、明るさを感じさせるのである。「春たてり」の季語を生かして、野菜を刻む音に、冬から春への待ちどうしかった思いが凝縮されて溢れ出るようだ。短詩型の俳句では擬音を使って詩法表現したもの。厨から響くリズムは家族の明るさにも。

(新聞「農民」2020.3.16付)
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2020年3月

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