「食料・農業・農村基本計画」への提言
持続可能性求め各党と意見交換
家族農林漁業の重視を
さまざまな農業団体の勉強会「持続可能な農業を創る会」が呼びかけ、農業・消費者・市民団体など幅広く集い、国の第5期「食料・農業・農村基本計画」に対する提言を持ち寄って各党との意見交換会が2月21日、衆議院第一議員会館内で開かれました。
「創る会」呼びかけ人の下山久信さん(千葉・さんぶ野菜ネットワーク)が主催者あいさつを行い、農水省が午前中の農政審議会企画部会に示した「基本計画」の骨子案について、「食料自給率の低下や担い手不足など5年前より悪化していることへの総括と反省がない」と厳しく批判。「さまざまな意見を反映させるために有意義な意見交換をしたい」と述べました。
「創る会」のメンバーから、「基本計画の考え方」で触れられていた「家族農業重視」の考え方が骨子案では消えている問題が指摘されました。
政党からは、自民、公明、立憲民主、国民民主、共産各党の国会議員が参加しました。
参加した団体は、「創る会」のほかに、生物多様性と農業政策研究会((1)日本自然保護協会(2)日本野鳥の会(3)WWFジャパン(4)ラムサール・ネットワーク日本(5)オリザネット)、日本有機農業研究会、日本農業法人協会、日本生活協同組合連合会、日本農業者ビジネスネットワーク、家族農林漁業プラットフォーム・ジャパンが出席し、各団体の提言を説明しました。
「プラットフォーム・ジャパン」からは、池上甲一常務理事(近畿大学名誉教授)と吉川利明常務理事(農民連事務局長)が参加し、池上さんが説明。国連の持続可能な開発目標(SDGs)を実現し、持続可能な社会への移行を後押しするために家族農林漁業が果たしている役割を再評価し、国連「家族農業の10年」「農民の権利宣言」の理念を踏まえ、「基本計画」に家族農林漁業への支援を明確に位置づけることを要請しました。
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意見交換会で意見を述べる池上常務理事(立っている人) |
さらに、気候変動やそれに伴う災害の増加、環境汚染、生物多様性の破壊、私たちの健康に対する脅威といった喫緊の課題に取り組むために、アグロエコロジーの普及、農林漁業や流通・消費のあり方を根本的に見直し、持続可能性を高めるための措置を拡充・強化すべきことを求めました。
その後、政党の代表と各団体とで質疑と意見交換を行いました。
(新聞「農民」2020.3.9付)
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