食の安全を考える学習講演会
北海道農民連 札幌と岩見沢で開催
北海道農民連主催による「あなたの食卓は大丈夫?食の安全を考える学習講演会」が札幌(2月2日)と岩見沢(3日)で開催され、齋藤敏之・農民連食品分析センター代表理事が講演を行いました。両会場とも満席となり関心の高さが浮き彫りとなりました。
|
岩見沢で行われた学習会 |
齋藤氏は過去最低となった食料自給率37%や農家戸数の減少など深刻な農業の実態を報告し、安倍政権によるTPP(環太平洋連携協定)11、日欧EPA(経済連携協定)、日米FTA(自由貿易協定)で農産物の総輸入自由化になるとさらに危機が深刻化すると警鐘を鳴らしました。
種子・肥料・農薬をセットにして農家には「作らせるだけで、収穫物はすべて企業が握る」多国籍アグリビジネスによる食料支配が進んでいる実態を報告。主要農作物種子法(種子法)廃止や種苗法「改正」の根底に安倍政権が狙う農業経営の大規模化・企業参入があることを解明しました。
総輸入自由化により農業危機が深刻化
モンサント社などの遺伝子組み換え作物とセットで使用されるグリホサートや、環境や人体への影響が強いネオニコチノイド系農薬の毒性について、研究機関の発表や裁判で明らかになったことなどを詳しく報告。世界では「疑わしいものは禁止」という予防原則を主流に規制が強化される中、日本では「毒と確定するまで食べ続けろ」と逆行し、大量使用や残留基準が大幅緩和され、「健康や環境への影響が増大している」と述べました。
「農薬は生物を殺す毒物である」と指摘し、国会でのやりとりを紹介しながら、学校給食のパンなどの検査運動を広げて使用実態を把握し、農家と消費者の理解を進め、「減らす努力を追求しよう」と呼びかけました。
農薬以外にも国内では使用禁止の成長ホルモンが輸入牛肉から検出された事例を紹介し、食品分析センターでの検査に全力をあげていることを報告。安全を守るために輸入農産物とたたかう食品分析センターの意義を強調し、支援を呼びかけました。
(北海道農民連 富沢修一)
(新聞「農民」2020.3.2付)
|