旬の味
沖縄本島南部の緋寒桜も満開となって、サトウキビやレタスにキャベツと農家は出荷に忙しい。私の住んでいる村では市の地域活性化事業の予算を使って拝所旧跡の標柱設置作業をしている▼年配の皆さんから「拝所の名称や場所がわからなくなってしまう」と言われ、自治会で標柱設置を決めた。地元の井戸掘り業者にコンクリートの標柱を15基造ってもらって役員やOB会で設置作業をしている▼思えば土地改良やゴルフ場建設で風景が変わった。隆起サンゴ礁でできた村の大地は底の見えない深い縦穴の洞窟や尖り岩などのドリーネ地形が姿を消した。かつての面影は字有地や拝所の近隣に残されている▼標柱設置場所の確認で散策すると樹木で覆いかぶさった山道は懐かしさと神聖さを醸している。標柱にはグスク、男神、女神、わらび神というのも。幼くして亡くなった子ども達に村のクラサグヮン際でお供えをする意味も聞いた。次の日曜日は標柱設置作業で汗を流して村の神々や伝承に話の花を咲かそう。 (牧)
(新聞「農民」2020.2.24付)
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[2020年2月]
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