「農民」記事データベース20200224-1397-07

ネオニコ系・グリホサート…

農薬の人への健康影響学ぼう

愛知県農民連大会
木村・黒田純子博士招き学習会


人にも生態系にも優しい農業の実践を

 愛知農民連は2月8日、第32回大会に合わせて環境脳神経科学センター医学博士の木村―黒田純子さんを招いて、「ネオニコチノイド、グリホサートなど農薬の人への健康影響」の学習会を行いました。農民連会員、読者、地元の新日本婦人の会など30人が参加しました。

 ネオニコチノイドは、カメムシやアブラムシ対策などで欠かせない農薬ですが、浸透性があり、残留すると洗っても落ちないこと、地中に長期に残留し、河川を汚染していること、神経毒性があり、虫だけでなく、あらゆる生物、もちろん人にも毒性があり、低用量でも長期暴露で影響が出ることが紹介されました。

 また、農薬の毒性は原体で基準が決まっているが、界面活性剤などの添加物が入っているため農薬製剤の方が毒性が強く、ラウンドアップだと原体のグリホサートの100倍高い毒性があることも紹介されました。

 会場からの質疑、意見交換では、「日本はなぜ世界の流れとは逆に、基準が緩められているのか。おかしいのではないか」、「規模拡大やスマート農業の政策が進められる中で、効率化を優先し、農協などが農薬使用を勧める実態がある」、「柿を栽培している。フェロモン製剤なども利用し、農薬使用を減らすようにしているが、虫害は3カ所までなどの出荷基準があり、なかなか難しい。消費者の理解を広げることも必要」などの声があがりました。

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講演に真剣に聞き入る参加者

 また、「近所の農家は、グリホサートは浸透性があるからと、グルホシネート系のバスタを使っている。しかしグルホシネートも同様に危険性があり、すでにEUなどでは登録失効しているとのこと。今日の内容を周りの農家にも知らせていきたい」、「温暖化の影響で米のカメムシ被害が広がっている。豊田市では収穫が皆無に近い田んぼもあった。温暖化対策のためにも、持続可能な環境にやさしい農業を進めたい」などの意見も交わされました。

 改めて人にも生態系にも優しい農業の実践に向けて、消費者への理解と合わせてできることから進めて、持続可能な社会を目指したいと確信した学習会でした。

(愛知農民連 本多正一)

(新聞「農民」2020.2.24付)
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2020年2月

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