「農民」記事データベース20200217-1396-03

2020年憲法インタビュー
(上)

「戦争をさせない1000人委員会」呼びかけ人・
「戦争させない・9条壊すな!総がかり実行委員会」
共同代表 福山真劫さん


「野党共闘」の声大きくして
戦争する国づくり許さない

画像  通常国会が始まり、安倍首相が改憲に前のめりのなか、市民と野党の共闘で「平和憲法を守ろう」という運動が大きく広がっています。「戦争をさせない1000人委員会」呼びかけ人で「戦争させない・9条壊すな!総がかり実行委員会」共同代表の福山真劫さんに、今後の運動の展望を聞きました。

 ――2019年は憲法にとってどんな年でしたか?

 2019年は、安倍政権による憲法の条文改悪と空洞化の2つの攻撃に対して、どうたたかうかが問われた1年でした。総がかり実行委員会をはじめとする市民運動と立憲野党が共闘して、この2本柱のたたかいで安倍政権に対抗してきました。

 1つ目の条文改悪に対しては、昨年の参議院選挙で改憲勢力が改憲発議に必要な3分の2の議席に届かず、大きな打撃を与えたと思います。1人区を野党が統一候補でたたかい、10の選挙区で勝利したのは大きな成果でした。しかし、今通常国会の安倍首相の施政方針演説にみられるように、条文改悪をあきらめたわけではありません。あわよくば次の衆議院選挙または参議院選挙で、3分の2議席以上をねらい、条文改悪をねらうことが予想されます。

 2つ目の憲法の空洞化という点では、安倍政権はこの間、その動きを強め、安保関連法の改悪により「専守防衛」から「集団的自衛権」の行使に踏み出しました。2018年に政府は、「防衛大綱」を作成し、アメリカの軍事戦略のもとで日本の戦略を決定する流れが一挙に強まりました。そしてF35戦闘機やミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備など軍事予算も大幅に増えています。

 さらに沖縄の問題では、県民が何度も「辺野古新基地反対」の意思を示しているにもかかわらず、安倍首相は建設を強行しています。また、トランプ米政権がイラン核合意から離脱し、アメリカ・イラン間で緊張が高まっています。日本に対して有志連合に加わり、自衛隊の派兵を求めてきたのに対して、艦船の派兵が強行されました。

 こうした憲法空洞化の動きに対して、われわれの側の取り組みはまだ十分に反撃しきれていません。今年は、そこをどう押し返すのかが問われています。市民と立憲野党が連携して、憲法破壊の暴走を食い止める必要があります。

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「自衛隊の中東派兵反対!」と声をあげた総がかり行動=1月19日、国会前

 政権末期の様相 共闘で跳ね返す

 ――通常国会が始まりました。今国会での課題は何でしょうか?

 先ほども述べたように、安倍首相は、施政方針演説で憲法改悪にふれ、それが「国会議員の責任」だと言い放ちました。まさに憲法改悪、戦争する国づくりへと暴走する「極右政権」そのものです。

 一方で、権力の私物化と腐敗が進み、新自由主義にもとづく経済政策は、格差と貧困を深刻化させました。安倍首相自身が大きな壁にぶち当たり、政権末期の様相を呈しています。

 この八方ふさがりの政権を、立憲野党と市民運動が連携して、大衆運動で包囲して安倍政権を追い込むことが必要です。野党共闘の問題では、通常国会のなかで、野党が連携して、安倍政権と対決する態勢ができています。「桜を見る会」など権力の私物化やカジノ汚職問題の追及、自衛隊の中東派兵反対などで共闘しています。

 そして次期衆院選でも共闘をきっちり確立することです。昨年の参院選の成果のうえにたって、選挙区(1人区)での候補者の一本化を図ることが求められています。それには、各政党間の努力とともに、私たち市民が「共闘」を求める声をどれだけ大きくできるのかにかかっています。

(次号につづく)

(新聞「農民」2020.2.17付)
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2020年2月

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