家族農業への支援で
持続可能な社会に移行を
家族農林漁業プラットフォーム・ジャパンが
政府に提言
農民連や全国食健連も参加する「家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン」は1月31日、参議院議員会館内で記者会見と院内集会を行い、国連「家族農業の10年」に基づき、日本の農政を転換するための「提言」を発表しました。
政府は、今後10年間の農政の方向を示す新しい「食料・農業・農村基本計画」を3月に閣議決定する予定です。「プラットフォーム・ジャパン」の「提言」は、この「基本計画」に家族農業への支援の抜本的強化を盛り込むことが目的です。
「提言」には、(1)現在の規模拡大政策を見直し、小規模・家族農業を支援の対象とすること、(2)アグロエコロジーの普及、(3)食料自給率の引き上げ、(4)自由貿易協定の見直し、(5)手厚い所得補償・価格保障の実施など、14の柱に沿って持続可能な社会に移行するための農政改革を求めています。
「提言」の説明は、「プラットフォーム・ジャパン」の村上真平代表(全国愛農会会長)、上垣喜寛副代表(自伐型林業推進協会事務局長)、常務理事の池上甲一さん(近畿大学名誉教授)、川島卓さん(21世紀の水産を考える会事務局長)、斎藤博嗣さん(一反百姓「じねん道」)、関根佳恵さん(愛知学院大学准教授)、吉川利明さん(農民連事務局長)が行いました。司会を、事務局の岡崎衆史さん(農民連国際部副部長)が務めました。
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報告する(右から)川島、吉川、池上、関根、村上、上垣、斎藤、岡崎の各氏 |
院内集会では、上垣さんが開会あいさつ。「提言」を午前中に農水省に提出し、懇談してきたことを報告。「地域にある家族農林漁業を振興するための第一歩」だと紹介しました。
村上代表が「提言」の目的について、(1)家族農林漁業が果たしている重要な役割を再評価し、「基本計画」に家族農林漁業への支援を明確に位置付けること、(2)農林漁業や流通・消費のあり方を根本的に見直し、持続可能性を高めるための措置を拡充・強化させることだと述べました。
関根さんが、今回の「提言」を基礎とし、「家族農業の10年」を日本で具体化するための「行動計画」策定につなげていくことを報告しました。
池上さんが、「提言」全文を読み上げた後、会場の参加者と意見交換。会場からは、「提言」への賛同が寄せられました。
斎藤さんが閉会あいさつを行い、「家族農業の10年の取り組みを通じて、持続可能な社会を実現する世論を喚起していきたい。そのためにもぜひプラットフォームへの参加を広げてほしい」と呼びかけました。
記者から「安倍農政に対する評価」を問われ、吉川さんは「TPP11、日欧EPA、日米貿易協定と次々に自由貿易協定を推進し、農産物の総自由化を進め、その一方で大規模化・農地集積と企業参入を進め、家族農業を締め出してきた」と批判しました。
国会議員は、立憲民主党の川田龍平参院議員、石垣のりこ参院議員、日本共産党の紙智子参院議員、国民民主党の篠原孝衆院議員があいさつ。重徳和彦衆院議員(無所属)、中川正春衆院議員(立憲民主党)が参加しました。
(新聞「農民」2020.2.17付)
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