全国食健連
30周年のつどいに80人余
秋のグリーンウエーブ集結行動
各地で旺盛な運動を展開
12月6日、国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)は秋のグリーンウエーブ(食料の波)行動の集結行動を東京都内で開催しました。
日米FTAは自給率低下させる
集結行動の冒頭に行われた農水省要請行動では、農民連の笹渡義夫会長が主催者を代表して、「農村の世論は私たちと同じ方向を向いていることがこのグリーンウエーブ行動で明らかになった。安倍政権を退陣に追い込むため、寒さを跳ね返しがんばろう」と訴えました。
自身も牛を飼う長谷川敏郎さん(島根県農民連会長)は「1990年の牛肉の完全自由化の前、島根県内に1万戸近くの牛飼いががんばっていましたが、たった5年間で3000戸がやめ、現在は10分の1、1000戸を割り込みました。
このまま日米FTA(自由貿易協定)に突き進めば、米など全ての農産物が丸裸にされ、食料自給率は14%まで落ち込むでしょう。私たちはこんなことは絶対に許しません」と訴えました。
集会の最後に参加者は農水省に向かって「家族農業を守ろう!」「地域経済を守ろう!」とシュプレヒコールを行いました。
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農水省前で報告する笹渡会長(左) |
現場が願う農政への転換めざし
参加者は第2ラウンドの農水省交渉に臨みました。全国食健連の舘野豊事務局長は「自由貿易協定の推進でいくら対策を打とうとも、自給率が下がっているのが現状ではないか。農水省の姿勢が問われている。現場の声を聞き、現場が願う農政に転換を」と訴え、全国から集めた賛同署名1万2509人分と団体署名24自治体、53JA、214団体分を農水省に手渡しました。
笹渡会長は「8割の農地を集積すると、守るべき家族農業者がどんどんやめていくことになる」と指摘。「家族農業の10年は今の農政に警鐘を鳴らしている。農水省は真剣に向き合うべきだ」と訴えました。
また、長野県農民連の菊地敏郎事務局長は「私の地域では多くの農家が朝2時から16時間働いてやっと食べていける状況だ。これをずっと続けていけというのか。希望の見える農政にしてほしい」と厳しい現実を訴えました。
果樹問題の要請
鳥獣対策増額を
農政一般とは別枠で、果樹関係の要請を行い、愛媛食健連・農民連など8人が参加し、野党共同の永江孝子参院議員が同席しました。
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永江議員(前列右)も同席した愛媛食健連の交渉 |
愛媛食健連が、グリーンウエーブ行動で全自治体・全農協を訪問し、まとめた要請書に基づいて要請。その中で、農業次世代人材投資事業、鳥獣被害対策、産地パワーアップ事業について意見交換しました。
今年から次世代投資事業(準備型)を受けた堀内学さんが、「先週やっと通知が来た、いつ決まるか判らずに10人中2人が途中で断念した」と予算減に伴う現場の混乱を訴え予算の増額を求めました。
鳥獣害対策については、防護策設置への国の補助額の増額を要求。産地パワーアップ事業では、「地域でパワーアップ計画に位置づけられれば、個人でも支援できる」との回答をもらいました。
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各地の取り組みを報告した院内集会 |
地域のたたかい食健連への結集
自由貿易協定を許さず農政の転換をめざす院内集会では、全農協労連の砂山太一委員長が「この30年間くじけずにたたかってきたことが、子どもを連れたお母さん方の信頼のもとになったと思う」と開会あいさつ。「それぞれの団体が組織を強化し、地域でたたかいを強め食健連に結集すれば日米FTAは必ず止められる」と呼びかけました。
行動提起で舘野事務局長は「状況をどうにかしたいと思う人々の立場に立ってひるまず立ち向かうのが食健連の真骨頂。日米FTAは全ての人に関わる大問題であり、1月9日の新春宣伝を皮切りに運動を広げ、3月5日の中央行動に結集しよう」と呼びかけました。
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今後の運動の発展を誓い合った30周年記念のつどい |
行動後には全国食健連の30周年記念のつどいが行われ、各団体からお祝いのあいさつが寄せられました。
(新聞「農民」2019.12.23付)
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