「農民」記事データベース20191209-1388-03

阪神淡路大震災から来年25年

命とくらしと人権を守る
災害対策全国交流集会

神戸市

関連/安倍政権を退陣に 国民大運動など3団体共催

 11月24、25の両日、災害対策全国交流集会が開催されました。来年阪神淡路大震災から25年を迎える兵庫県神戸市で開催し、200人を超える参加者が集まりました。


 災害復興の課題 塩崎さん記念講演

 神戸大学名誉教授の塩崎賢明さんが「今日における災害復興の課題と展望―“創造的復興論”を超えて」と題して記念講演を行いました。

 塩崎さんは冒頭に「何のための復興か、目的が非常に大切」と強調。「インフラ整備をやらなくてもいいわけではないが、単なる大規模開発になっているのが実態」と政府の進める創造的復興の姿を暴きます。

 「集団移転して人が住まない場所に膨大な予算をかけて盛り土をしているのを見て、矛盾を感じる。事業が長期化することで、地域を離れる人も増える」と話し、既存の集落の空き地に小規模で移転する差し込み移転を紹介。神戸の新長田再開発事業を例に「身の丈に合わない大規模開発は危険だ」と指摘しました。

 また「早期避難を呼びかけるが、全員が実際に避難したら対応できる体制になっていない」「避難所の環境が90年くらい何も変わっていない」ことなど問題点を指摘。日本と大きく異なる各国の避難所の状況を紹介し、「国際基準から見て大きく劣る状況は即刻改善しなければならない」と話しました。

 地元兵庫からは、25年間にわたるたたかいを阪神・淡路大震災救援・復興県民会議の畦布和隆代表委員が特別報告。被災者の公的支援の道を切り開き、被災者生活再建支援法を成立させたたたかいや、今、大きな課題となっている借り上げ公営住宅からの被災者の追い出し訴訟などについて報告がありました。

 原発ゼロ基本法案の審議求めて請願

 2日目は5テーマに分かれて分科会が開かれました。第3分科会では「福島原発事故と原発再稼働問題を考える」をテーマに行われ、ふくしま復興共同センターの斎藤富春さんが福島の現状と課題を報告。京都大学名誉教授で大飯原発差し止め京都訴訟原告団長の竹本修三さんが原発の危険性と再稼働反対の運動を紹介し、原発をなくす全国連絡会の小田川義和さん(全労連議長)が原発ゼロ基本法案の状況と意義について語りました。

 討論では会場から、宮城の放射能を含む災害廃棄物の問題や、新潟からは、「柏崎・刈羽原発周辺の活断層を調査し東電に公開討論会を要求しているが逃げ回っている」、地元神戸からも「毎週の抗議行動だけではなく、市議会に原発ゼロ基本法の審議を求める意見書を上げてほしいと請願行動に取り組んだ」など、各地の運動が交流されました。

 集会の最後に「被災者支援と災害に強い地域・社会づくりを『命とくらしと人権を守る』立場で実現させよう」と呼びかける集会アピールを採択。被災者生活再建支援法の拡充を求める署名など、各地域で運動を進める決意を固め合いました。


安倍政権を退陣に
国民大運動など3団体共催

=国会前行動=

 臨時国会(12月9日閉会予定)が最終盤にさしかかるなか、国民大運動など3団体共催は、国会会期中定例の国会前行動を行いました。

 民医連(全日本民主医療機関連合会)の木下興事務局次長が主催者あいさつし、「『桜を見る会』など、安倍政権の権力の私物化が大問題になっている。しかし安倍政権は今国会で、日米貿易協定や教員の変形労働時間制の導入など悪法を次々と成立させようとしている。こんなことは絶対に許されない」と訴えました。

 全教(全日本教職員組合)の壇原毅也書記長は、教員の変形労働時間制について、「教育に予算を回さない、教員を増員させないゴマカシだ。教育を受ける権利という憲法を守らない安倍政権を一日も早く退陣させよう」と発言しました。

(新聞「農民」2019.12.9付)
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2019年12月

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