農民連結成30周年記念
コンクール入選作品
短歌の部
▼入選▲
水張りの田の面かるく波立ちぬ吹き抜ける風まだ冷たくて
尾崎 淳(高知県高知市)
赤字でもせめてご飯は自家米を孫子も手伝う取り入れの
秋谷 喜久子 (京都府南丹市)
定年後夫は畑にいそいそと農家生まれの三男なりき
加茂 京子 (島根県松江市)
〈選評〉
新日本歌人協会 城間百合子
一首目、水張り田の波立ちを捉えて、季節を感じさせる描写がすてき。二首目、コメ作りは赤字でも、子や孫が集う収穫の楽しみがあるからやめられない。寄せられた作品はどれも農業への「愛」が、素直に詠われていると思いました。素直に、というのは大事な要素の一つです。
短歌は思いを伝える絶好のツールです。言葉を大切にしながら、たくさん作りましょう。
(新聞「農民」2019.11.25付)
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