「農民」記事データベース20191125-1386-01

日米貿易協定

審議不十分、拙速な採決に抗議

国会前で食健連など
座り込みや抗議行動

関連/北海道でも宣伝行動


採決を差し戻し徹底した審議を

 日米貿易協定の討論が11月15日、衆院外務委員会で行われ、わずか10分で、自民・公明の与党、維新の会などの賛成多数で可決されました。

 TPP(環太平洋連携協定)の審議の際には特別委員会を設けて70時間以上、TPP11でも、20時間以上審議したのに比べても、今回はわずか9時間程度と不十分なものでした。そのうえ、野党が要求した、自動車の追加関税の協議に関する資料も提出されていません。

 衆院議員会館前では、全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)や「TPPプラスを許さない共同行動」をはじめ、SNSなどをみて参加した人たちが駆けつけ、座り込み・抗議行動を行いました。

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拙速な採決に強く抗議する参加者

 委員会を傍聴した「共同行動」の市村忠文さんは、自ら討論に立たずに採決した自民・公明与党を批判。「TPPを上回る亡国の協定を許してはならない」と訴えました。

 初めて傍聴に参加した人は「あまりにもあっさりすぎてびっくりした」「議論がなく、委員会での審議は形式だけだと思った」などと感想を述べました。

 反対討論にたった日本共産党の穀田恵二衆院議員が抗議行動参加者の前でマイクを握り、「要求した資料や、自動車分野を除いた経済影響試算を提出するよう求めてきたが、政府はそれに応じず、デタラメな答弁だけを繰り返してきた。食料と農業を守るためにも、安倍政権を倒そう」と呼びかけました。

 日本共産党の田村貴昭衆院議員も駆けつけ、激励しました。

 最後に、農民連の吉川利明事務局長が、「審議時間はきわめて不十分。審議の終結に強く抗議し、採決の差し戻しを求める。徹底審議を要求し、批准を許さないたたかいを強めよう。地域から国会に声を集中させよう」と呼びかけました。

 SNSをみて8カ月の子どもを抱えて参加した女性(31)は「遺伝子組み換えやゲノム編集食品など食の安全が不安です。こんな大事なことを短時間で決めてしまうのはおかしい。子どもの将来のためにも、これからも反対の声をあげていきます」と話していました。


北海道でも宣伝行動

 北海道札幌駅前で11月8日に、時折雪がちらつく中(最高気温6度)、熱く2回目の「日米貿易協定批准反対」の街頭宣伝(1回目は9月26日)を行いました。この行動は、北海道農民連も加入する「食糧と農業を守る全北海道連絡会」の呼びかけで、宣伝チームと協定反対チラシ入りポケットティッシュの配布チーム(北海道民主医療機関連合会・北海道商工団体連合会など)に分かれて行いました。

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日米貿易協定に反対する道食農連のメンバーら

 まず、同連絡会の事務局で北海道農協労連の九村信吾書記長が、「日本『完敗』のTPP水準とは名ばかりの協定」と口火を切り、次に道農民連の石黒英彦事務局長が、「国民不在、さらに北海道農業を破壊し、この北海道でも牛乳が飲めなくなる日が来る」と訴えました。

 3人目に北海道労働組合総連合の三上友衛議長が3食の食事の2食が外国産で賄われ、食料主権が脅かされることを、最後に道農民連の野呂光夫氏がアメリカの圧力で食の安全基準が緩和され、命を脅かす危険な協定であることを道行く市民にリレートークで力強く訴えました。

 各弁士が日米貿易協定の怖さを存分に語る中、約500個のチラシ入りポケットティッシュも配布し、行動終了。行動参加者は、国会の状況に合わせて3回目の宣伝を確認し解散しました。

(新聞「農民」2019.11.25付)
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2019年11月

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