「農民」記事データベース20191118-1385-08

農家が得する
税金コーナー
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償却資産税に課税強化の動き

 各地でこれまでは課税していなかったビニールハウスなどの農業用資産に対する償却資産税の課税強化が進められています。

 高知県土佐市では、2018年11月、33戸のハウス農家に対して、税務署に提出した所得税確定申告書に添付した収支内訳書の減価償却費を調べて、償却資産税を計算し、さらに5年間遡及して支払いを突然通知してきました。

 市議会では高知県農民連の税金対策部員でもある大森陽子議員などが緊急質問で取り上げ、市長の姿勢を追及し、周知期間を設けること、5年間の遡及はしないこと、奨励金制度で農業振興へ手助けすることなどを約束させていました。

 こうした事例は、19年5月、愛知県蒲郡市でもマスコミで取り上げられ、「申告すべきビニールハウスは2000件もあるのに申告はたった4件」などとハウス農家は「脱税の犯罪者」のような報道になっています。

 前掲の大森議員も3月議会で「税務課に相談に行った青年は、犯罪者のように扱われたとショックを受けている。彼らは農業経営で身を立てようとレンタルハウス事業等を活用し、基幹産業である施設園芸を牽引してきた地域農業の未来を担う若者が中心」と指摘し、「課税強化は慎重に、丁寧な話し合いを」と話しています。

 償却資産税と所得税の減価償却との大きな違いは最低評価額が5%でずっと残ることです(所得税は備忘価格、1円です)。計算方法も旧定率法(平成19年4月以前のもの)で計算します。

 償却資産税については新聞「農民」2017年9月25日付の「農家が得する税金コーナー」(12)で詳しく紹介しています。

(新聞「農民」2019.11.18付)
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2019年11月

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