「農民」記事データベース20191111-1384-11

旬の味


 過疎地における農業には、ときとして開発との闘いも生じます。私の住む町は町の区長会(自治会)あげて大型風力発電施設の反対とともに、最近いったん消えかけた大型太陽光発電施設の計画も再燃してきています▼30ヘクタールを超える面積の山に、12メガワットの発電能力のあるパネルをはるというのです。その開発地は急傾斜地であり、その真下に20戸の人家と隣の市の水田も養うため池があります▼県に提出された開発業者の申請書は、現地の調査をしておらず、40度を超える急傾斜地にも関わらず、小起伏山と土砂災害の心配がないように書いています。ボーリング調査もせずに設計図が書かれているため、3カ所の調整池の堰(せき)堤の倒壊やパネルの崩落のおそれもあります▼パネルの劣化により亀裂が入り、あるいは強風や土砂災害によって壊れれば、パネルの中に入っているという猛毒がため池に入り、用水路を通って水田に流入します。せっかく作った米が食べられない、そんな開発はごめんです。

(良)

(新聞「農民」2019.11.11付)
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2019年11月

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