日消連
ゲノム編集食品反対宣言
関連/今も愛好 サツマイモのツル
日本消費者連盟が6月に発表した「ゲノム編集食品に反対します」とする宣言を紹介します。
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多国籍企業は、遺伝子組み換え作物を開発して種子を支配し、農家から農業を行う権利を奪い、生物多様性を破壊し、食の安全を奪ってきました。その遺伝子組み換え食品に次いで、いま新しい遺伝子操作であるゲノム編集を用いた食品が登場し、まもなく私たちの食卓に登場しようとしています。この技術で作られた作物、魚、家畜は、さらに深刻な問題を持ち、影響力も大きな技術です。現在、この技術に関する特許権の大半は、モンサント・バイエル連合、ダウ・デュポン連合という2つの多国籍企業によって掌握されており、これらの企業によって食料支配が進むことが予測されます。
ゲノム編集は、遺伝子を壊すことを基本としており、意図的に病気や障害を引き起こすことで品種の改良を行うという、実に粗っぽい技術です。政府や研究者は、特定の遺伝子を正確に破壊するといいますが、ある遺伝子を壊した際に、オフターゲットと呼ばれる、その遺伝子以外の多数の遺伝子を意図せず壊すことも明らかになっています。遺伝子組み換え以上に環境に深刻な影響を与え、食の安全を奪う危険性があります。
しかしながら政府は、この新たな遺伝子操作食品に対して遺伝子組み換えとは違うとして、基本的に規制をしない方針を出し、しかも表示もしない方向に進もうとしています。消費者には、安全や健康に暮らせるよう環境や食卓を守る権利があります。私たちは、その権利を根底から奪うゲノム編集食品に反対します。
日本消費者連盟
戦中、戦後、食糧難の時代にサツマイモのツルをも食べました。花(表皮)をむいて佃煮にして、副食の一部として今も愛好されています。
(大阪府寝屋川市 藤尾幸男)
(新聞「農民」2019.11.11付)
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