日本母親大会実行委
農水省に要請
関連/埼玉食健連 グリーンウエーブ
日米貿易交渉めぐり――
「農業に大打撃 批准やめよ」母大実行委
農水省「バランスとれた合意内容 早い批准と発効を求める」
日本母親大会実行委員会は、今年8月に静岡県で開催された第65回日本母親大会の決議をもとに、10月24日、各省庁に対し要請行動を行いました。農水省への要請には、農民連女性部の役員のほか、奈良や神奈川、山口など各県の代表者ら16人が参加しました。
要請では、食料自給率の向上、日米貿易協定を批准しないこと、豪雨や台風被害への万全の支援などを要求しました。
食料自給率の低下について農水省は、「食生活が変化し、自給率の高い米を食べなくなったことが食料自給率低下につながった。しかし生産額ベースの自給率は66パーセントあり、もうかる農業が伸びればおのずとカロリー自給率も上がる」と回答。
参加者から、「今の政策では自給率は上がらない」と、農家の高齢化や農産物価格の下落、後継者支援の削減など、地域や農業の現場で起こっている困難な実態が切々と訴えられましたが、明確な返答はありませんでした。
また日米貿易協定をめぐっては、農水省は「米も林産品も除外され、牛肉の輸出枠もできた。バランスのとれた合意内容であり、早期に国会を通過させていただき、発効してもらいたいと考えている」と明言。
参加者は、「付属書には“アメリカは農産物に関して特恵的な待遇を追求する”旨が盛り込まれているし、共同声明にはさらに再交渉する記述もある。牛肉や豚肉などのセーフガード(緊急輸入制限)でも発動水準を再調整する合意がされている。これで国内農業を守り切ったと言えるのか」と追及しましたが、農水省は「これらはあくまでアメリカの希望が書き込まれただけ。再協議でどうなるかは、まだわからない。何の約束でもない」と強弁。
参加者は「批准されれば、日本の農業には大打撃となる。そんな説明で納得する農家はいない」と、日米貿易協定を批准しないよう、重ねて求めました。
学習会と宣伝行動
埼玉食健連と埼玉県南食健連は、秋のグリーンウエーブの一環として、「国連『家族農業の10年』を考える集い」と浦和駅頭宣伝行動に連続して取り組みました。
10月26日にはさいたま市で集いを開き、農民連国際部の岡崎衆史さんによる「国連『家族農業の10年』を考える」と題した講演と、埼玉農民連副会長の松本慎一さんによる「がんばっています!県内の家族農業」の2つの話を聞き、活発な討論が行われました。
集いに先立っては、JA埼玉県中央会や埼玉県自治労連を訪ねて参加を呼びかけました。当日は、JA県中央会部長代理や自治労連幹部、市議会議員の参加もあり、幅広い層の集う会となりました。
続いて29日には、JR浦和駅頭で、「日米貿易交渉中止し、食料・農業を守る政治を! 世界の流れは『家族農業』、埼玉の農家を守ろう!」のハンドマイク宣伝を行いました。
埼玉県産の新米「彩のかがやき」2合100袋を無料配布しながら、全国食健連の署名を進めました。両食健連では、ひきつづき国連「家族農業の10年」の埼玉での取り組みの輪を広げる計画です。
(埼玉県食健連副会長 立石昌義)
(新聞「農民」2019.11.11付)
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